創作遊びとは

今回の記事で解説する「創作遊び」は、お子さまが手指を使ってかかわるものの総称として用いています。
廃材を使った制作や折り紙など、クレヨンなどで描く描画など、保育におけるさまざまな活動を指しています。

身近な素材であそんでみよう

身近にあるいろいろな素材を使ってあそんでみましょう。指先が発達し、ものがつかめるようになると、お子さまは興味を持ったさまざまなものに触れはじめます。

新聞紙などの薄い紙は、小さなお子さまでも扱いやすいです。丸めてボールにしたり、破る音を楽しんだり、細かくちぎって紙吹雪みたいに遊んでみるのもいいですね。ほかにも粘土や土を丸めたり、引っぱったりして素材の感触を楽しんでみましょう。

また、ペットボトルやトイレットペーパーの芯などの廃材も材料費がかからず取り入れやすいですね。
ただし、お子さまの月齢によっては、誤飲の可能性があるため、危険性がないように注意しましょう。

自然のある環境へ散歩に出た時、葉っぱや木の実などを持ち帰って素材にするのもおすすめです。季節を感じられるものや、感触を楽しめる素材を使ってあそぶことは、興味や関心を伸ばすことにつながります。

保育士もお子さまたちと一緒になって楽しみましょう。

言葉かけでイメージを広げよう

お子さまがお絵かきをしていたら、言葉をかけてみましょう。

特に低年齢児の場合は、何か表現したくて描くというよりも、手を動かして描く行為そのものを楽しんでいます。

「これ〇〇かな?」
「色がたくさんだね!」
「笑顔が素敵だね」

など、言葉をかけてみて、お子さまの内にあるイメージを膨らませたり、あそびを広げたりしましょう。

工夫しながら描いている様子を見つけて言葉をかけることは、お子さまにとって表現することの楽しさや喜びに気づくきっかけのひとつになります。
ぜひ、お子さまの創作工夫を引き出せるような言葉かけを積極的にしていきましょう。

決まったルールはありません

創作あそびに決まりやルールはありません。

何を作ったのかわかるものにしようと、作品の出来や見栄えにこだわらず、お子さまが楽しみながら創作することを優先しましょう。

年齢が上がってくるにつれ、自分が表現したい思いとできあがった作品表現とのギャップを自覚するお子さまもいらっしゃいます。

どうしていいのかわからず手が止まってしまったお子さまには、興味を持てるよう気づきを与えられるような適切な言葉かけをしてみましょう。

たとえば、素材のとりあつかい方をわかりやすく示すことで、ワクワクした気持ちを引き出します。保育士とお子さまたちとのよい関係づくりにもつながりますよ。

お子さまの創作過程や思いを保護者様に伝える

作っているものを言語化できなくても、お子さまは何かをイメージし創作しています。大人が見てわからないものでも、お子さまの内には世界が広がっているのです。

保育士は、お子さまが何かを作っている時に話しかけて気持ちを聞いておきましょう。
創作中の何気ない一言をメモしておくと、保護者様に伝えやすくなります。また、保護者様が保育中の風景を目にする機会が少ないため、お子さまの様子を写真に残しておくのもおすすめです。

どのような思いをこめて作っているのか、その過程を知ることができれば、保護者様も理解することができ喜ばれることでしょう。ありのままの作品を認めることで、お子さまが自信を持ち、さらなる創作への意欲を持つことにつながります。

お子さまの発想力は未知数です。触れてみて、やってみて、自分の五感で感じながらさまざまなことに取り組み、成長する様子を見守っていきましょう。

まとめ

創作遊びを通して、お子さまはさまざまな体験や発見をしています。
次第に作れるものが増えると創作意欲はさらに高まり、表現することが楽しいと感じられるようになるでしょう。

楽しみながら得た体験は、想像力やさまざまな可能性を広げるきっかけにもなります。そして、誰かのために何かを作ってみたいといった思いが芽生えることもあるでしょう。

創作遊びは、どこにでもある身近な素材で取り組めます。決まったルールや正解はなく、作っている過程を自由に楽しむことが大切なのです。

遊びの中からお子さまの可能性を広げられるようサポートしていきましょうね。
   

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