お月見の由来

お月見(中秋の名月)とは、美しい月を楽しむ風習です。
また、十五夜とは旧暦の8月15日からきており、2024年の十五夜は9月17日とされています。

お月見の由来は、中国の中秋節が平安時代の日本に伝わり、当時の平安貴族たちが和歌を詠みながら月を鑑賞する宴を開いたことから始まりました。
さらに、お月見は秋の収穫を祝い、豊作を祈る行事としても親しまれています。

現代の私たちにも、お月見には家族や友人ときれいな月を眺めながらお団子を食べたりパーティーをしたりする風習が受け継がれています。
保育園では、お友達や保育士さんと楽しい時間を過ごすイベントや食べ物の大切さを学ぶ収穫体験などを取り入れると、より楽しめるでしょう。

保育園でお月見を取り入れるねらい

保育園でもお月見にちなんだ遊びやイベントを取り入れると、子どもたちに日本の文化や食べ物の大切さに親しんでもらうきっかけにつながります。
ここでは、保育士さんが知っておきたいお月見のねらいを紹介します。

日本の伝統行事に親しむ

保育園のお月見は、子どもたちが日本の伝統文化や習慣を学び、理解を深める機会になります。
お月見にちなんだイベントや遊び、製作などを通して、お友達や保育士さんと楽しみながら親しめるとよいですね。

食べ物の大切さを知る

お月見には、作物の収穫を感謝し、豊作を祈る意味があります。
保育園では給食やおやつの時間に食べ物や生産者の方への感謝を促すと、「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつや食事を残さず食べることの大切さに気付くきっかけになるでしょう。

宇宙や自然に興味を持つ

夜空を見上げるお月見は、子どもたちが月や星、季節の移り変わりなどの自然に興味を持つ機会でもあります。
「お月さまは手が届きそうなのに届かないのはなぜ?」「月にはうさぎが住んでるって本当?」など、子どもたちの疑問に耳を傾けながら好奇心を刺激してみましょう。

保育園でお月見を取り入れる際の注意点

保育園の遊びや行事にお月見を取り入れる際は、いくつかの配慮したいポイントがあります。
ここでは、お月見をみんなで楽しむために注意したい、食物アレルギーや保護者様への対応などを紹介します。

給食やおやつのアレルギーに注意

お月見の季節には、給食やおやつにお団子を提供する保育園も多いのではないでしょうか。
なかには、お団子に、小麦粉や小麦由来の添加物が含まれていることがあるため、小麦アレルギーの子どもたちに十分配慮する必要があります。
保護者様や看護師さんと連携をとりながら、子どもたちが安心して食べられるように注意しましょう。

お月見団子を食べる際は見守りを

給食やおやつでお月見団子を食べる際は、保育士さんや職員は子どもたちから目を離さないようにしましょう。
お団子をよく噛まずに飲み込むと、のどに詰まらせて窒息してしまう恐れがあります。
保育園では、子どもたちに「お団子は、二口、三口にわけて食べようね!」「よく噛んで食べよう!」と声かけをしながら注意を促すことが大切です。

お供え物は地域に合わせて

日本のお月見では、月の夜にお団子や収穫物、ススキなどの秋の草花などをお供えする風習があります。
お供え物は地域によって異なり、例えば、十五夜は「芋名月」とも呼ばれ、西日本や京阪地方ではサトイモをお供えすることもあるようです。
地域に合わせた文化を取り入れると、お月見が子どもたちにとってより身近なものになるでしょう。

配慮すると安心して楽しめるイベントに

お月見自体は日本の伝統行事であり、宗教的な意味合いは強くありませんが、各家庭の保護者様にも配慮するとより安心して参加できるイベントになるでしょう。
文化や風習に敏感な保護者様がいる場合は、保育だよりで事前に通知したり、お供えではなく自然と親しむイベントとして取り入れたりする方法もあります。
お月見の内容を事前に保護者様と共有することで、理解と協力を得やすくなります。

保育園のお月見会を盛り上げる出し物・遊びのアイデア

保育園には、お月見にちなんだ行事を計画している保育士さんもいるのではないでしょうか。
ここでは、子どもたちと楽しめるお月見イベントの出し物や遊びのアイデアを紹介します!

ペープサート

保育士さんの出し物では、子どもたちに人気のペープサートやエプロンシアターなどの劇が盛り上がります。
お月見の由来や食べ物の大切さなどのテーマを一つ決めたうえでストーリーを作ると、子どもたちにもわかりやすく、引き込まれるお話ができあがります。

絵本の読み聞かせ

お月見会の出し物には、保育士さんが準備しやすい絵本の読み聞かせもおすすめです。
動物たちが十五夜を楽しむお話や宇宙の神秘にワクワクするお話、食べ物にまつわるお話など、子どもたちに興味を持ってもらえるような絵本を選びましょう。

お月見の季節におすすめの絵本

  • たぬきのおつきみ(作:内田麟太郎 出版社:岩崎書店)
  • おつきみうさぎ(作:中川ひろたか 出版社:童心社)
  • ぼく、おつきさまがほしいんだ(文:ジョナサン・エメット 出版社:徳間書店)
  • かむにんじゃ参上!(作:いろは 出版社:SUGAO)
  • たべものなんだ(著者:べかたろう 出版社:KADOKAWA)


お月見にちなんだ歌

うさぎやお月さまにちなんだ童謡は、お月見の雰囲気を盛り上げます。
「うさぎ うさぎ なにみてはねる」のフレーズでおなじみの「うさぎ」や、「出た 出た 月が」の歌い出しから始まる「月」などを秋の夜空をイメージしながらみんなで歌ってみましょう。

おすすめのお月見ソング

  • うさぎ
  • 十五夜さんのもちつき
  • 十五夜お月さん
  • ぽんぽこたぬき


ボールを使ったゲーム

お月見会のゲームには、ボールをお月さまに見立てた遊びもぴったりです。
乳児さんも楽しめるボール転がしやキャッチボール、幼児さんに人気のフルーツバスケット、リレーなど、子どもたちの年齢に合わせた遊びを取り入れてみてくださいね。

秋の収穫体験

作物の収穫を願うお月見には、園庭や近隣の農家さんでの収穫体験もおすすめです。
作物が成長する姿を実際に見たり体験したりすることで、食べ物への愛着と生産者の方々への感謝の気持ちを育みます。

次の記事では、アルファコーポレーションの保育園で実施された収穫体験の様子を紹介しているので、ぜひご覧ください!

お月見団子作り

保育園の中には、食育の一環としてお月見団子作りにチャレンジする園もあります。
自分たちの手で一生懸命丸めたお団子は、よりいっそうおいしく感じられるはず。
料理で熱湯や調理器具を扱う際は、保育士さんが子どもたちの安全をサポートしましょう。

お月見にちなんだ製作遊びのアイデア

続いて、お月見の季節にぴったりの月やうさぎ、お団子などの製作遊びを紹介します。
保育園でお月見会を開催するなら、飾り付けにすると気分がさらに高まりますよ。

足スタンプで作るうさぎ

0歳児~1歳児の子どもたちとは、足スタンプを使ったうさぎのイラストにチャレンジしてみましょう。
足の指をうさぎの手足に見立て、かかとの部分に長い耳や目を描き足すと、可愛いうさぎが完成します。
足スタンプは好きな色を選んだり、リボンや好きな服を着せたりするとさらにおしゃれになりますね。

ちぎり絵で作るお月さま

2歳児~3歳児の子どもたちには、ちぎり絵で作る月の製作はいかがでしょうか。
1メートルほどの大きな月の絵を用意し、ちぎった黄色い紙をみんなで力を合わせて貼り付けていきます。
手先の発達を促しながら、チームで協力して製作を完成させる達成感を味わうこともできます。

粘土で作るお団子

粘土を使ったお団子作りは、幅広い年齢の子どもたちが楽しめる遊びです。
保育園でお月見団子作りをするなら、お団子を丸める作業の練習にもぴったりです。
くれぐれも、子どもたちが誤って粘土を口に入れないように注意しましょう。

保育園のお月見はお友達や保育士さんと楽しもう!

お月見とは、秋の美しい満月を愛で、作物の収穫に感謝する伝統的な風習です。

保育園では、お友達や保育士さんとお月見会を開いたり、遊びや製作に月やうさぎなどのモチーフを取り入れると、子どもたちがお月見に親しみやすいでしょう。
また、給食や食育から食べ物の大切さを知るよい機会にもなります。

次の記事では、保育に役立つ秋の遊びや年間行事を紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね!
   

関連する記事

関連するキーワード

著者