小規模保育園とはどのくらいの人数?

小規模保育とは、こども家庭庁より2015年(平成27年4月)から始まった子ども・子育て支援新制度の中で、市町村の認可事業(地域型保育事業)のひとつとして新たに作られた事業です。
1施設あたりの定員は6名~19名程度とし、少人数の特性を活かしたきめ細かいケアをしやすい特徴があります。

共働き世帯や事情があり家庭で保育のできない保護者様を利用対象とし、0歳児から2歳児の子どもたちの保育を行います。3歳以上になった子どもは、幼稚園や保育園、認定こども園などに進みます。

参考:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」|こども家庭庁

保育士さんが小規模保育園で働くメリット

続いて、保育士さんが小規模保育園で働く際のメリットを紹介します。
「自分が目指す保育が実現できるか」「自分にとって働きやすい環境か」をチェックしてみましょう。

月齢や発達の違いに対応できる

小規模保育園の定員は6名から19名と少人数のため、保育士が子どもの発達状況を丁寧に観察し、必要に応じて早期に適切な対応を提案できる体制が整っています。
特に0歳児から2歳児は月齢や特性によって発達の違いが表れやすいため、個人の状況や性格に合わせたサポートに対応することで子どもや保護者様に安心感を与えられます。

保護者様とコミュニケーションがとりやすい

小規模保育園は、定員が少ない分保育士さんと保護者様一人ひとりとの距離も近くなりやすく、保育園の状況や子どもの様子をスムーズに伝えやすい環境です。
各家庭の背景や悩みを知り、時間をかけて深い信頼関係を築くことで、よりきめ細やかなサービスの提供につながります。

温かみのある保育環境

少人数の保育園は、アットホームで落ち着いた雰囲気があるため、子どもたちも安心して過ごしやすい環境です。
保育士さんも一人ひとりを注視し、こまめな声かけを行えるので、一人ひとりにじっくり寄り添う丁寧な保育を実現しやすいでしょう。

余裕を持って働きやすい

小規模保育園では、大規模な保育園や幼稚園に比べて保育士さん一人あたりが担当する子どもの数が少なくなるため、子どもたちに対して身体的・精神的に余裕を持ちながら保育に携われるでしょう。
しかし、子どもの人数が少ないため、保育者の人数もあまり多くはありません。保育者の人員が少ない場合は一人当たりの保育以外の業務の割合が多かったり長時間労働に陥ったりしてかえって働きにくいと感じる恐れもあるため、注意が必要です。

保育士さんが小規模保育園で働くデメリット

小規模保育園に就職したいと考えている保育士さんは、デメリットも知っておくことで入社後のミスマッチを防げます。
自分が目指したい保育や譲れない勤務条件などと照らし合わせながら、「デメリットも含めて自分に合っているか」を考えてみましょう。

活動範囲や遊び方が限られることがある

小規模の保育施設では、広い園庭や充実した遊具がない場合があり、大規模施設と比べて活動の幅が狭くなることがあります。
そのため、保育では室内遊びの時間が大部分を占めたり、限られたスペースで体を動かす遊びを考えたりする場面が出てくるでしょう。
周囲の職員とアイデアを交換したり、自ら新たな遊びを探したりしながら、子どもたちを飽きさせない工夫を心がけましょう。

次の記事では、当社の福利厚生制度・Air Libraryを活用して保育の向上を実践する社員のインタビューを紹介しているので、あわせてご覧ください!

大規模保育に比べて一体感を持ちにくい

小規模保育園では、大規模保育の保育施設と比べると、大人数ならではのスケールの大きい作品や出し物は実施しにくくなります。
そのため、「たくさんの子どもたちと一体感を得られるイベントがやりがい」「少人数は寂しいと感じる」と考える人にとっては、合わないと感じてしまうかもしれません。
一方で、少人数ならではのアットホームな雰囲気や深いつながりを大切にしたい人にとっては適している環境といえるでしょう。

保育時間にばらつきがある

小規模保育園では、共働き家庭のニーズに応えるために、夕方以降の延長保育や夜間保育に対応している場合があります。保育士さんにとっては勤務時間が不規則になったり、園の体制が整っていない場合は長時間労働に陥ったりする可能性があるでしょう。
就職活動中の説明会や面接では、延長保育や夜間保育の有無や退勤時間、シフトのローテーション方法などをしっかり確認し、就職後の後悔を防ぎましょう。

小規模保育園を選ぶ保護者様のねらい

数ある保育園の中で小規模保育園を選ぶ保護者様が期待するメリットやねらいを知ると、現場のイメージや保育士さんに求められる力が見えてきます。

徹底した安全管理

保護者様は、小規模保育ならではの目が行き届きやすい環境の中で、安全面がしっかり配慮されていることを期待しています。
特に乳幼児期は事故やケガが心配されるため、安心して預けられる施設を求めているのです。
もちろん保育園の規模に限らず安全面への配慮は最重要事項ですが、少人数の保育施設を選ぶ保護者様は、特に安全管理への意識が高いといえるでしょう。

保育士さんとの密なコミュニケーション

小規模保育を選択する保護者様は、保育士さんが我が子の日々の成長や些細な変化を共有してくれることを期待しています。
日中は仕事で子どもと離れている保護者様にとっては、保育園での様子を細やかに伝えてもらえることは大きな安心材料です。大規模施設とは異なるアットホームな環境で、子どもがリラックスして過ごせることや親子ともに安心できる環境を求めています。

初めての集団生活のスタート

少人数の保育施設は、人数が多い集団になじむ前の練習として選択されるケースもあります。
小規模保育園は、大規模保育園に比べて子どもが環境の変化に慣れやすく、保育士との距離も近いので安心感を持ちやすいと考えていることも。
我が子がほかの子どもや保育士さんと良好な関係を築き、家庭以外の信頼できる人間関係を形成することで、子どもの情緒の安定や社会性の発達を期待しています。

地域密着型で通いやすい

小規模型の保育園は地域のニーズに応じて設置されることが多く、自宅や職場に近い場所で利用できることを理由に選択する保護者様もいます。
送り迎えのしやすさやパートナー・親族との連携の取りやすさなどを大切にしている家庭も多いでしょう。
保育士さんも地域の一員として町になじみ、情報提供を行うことがサービス向上につながります。

一人ひとりに合わせた柔軟な対応

小規模保育では、慣らし保育や子どもの発達に合わせた個別対応など、家庭の状況や希望への柔軟な対応を求められることもあります。
発達のペースがそれぞれ異なる乳幼児期だからこそ、適切な支援やサポートが受けられることを重視しているのです。
就職活動中の面接では保育園での対応範囲や過去の事例などを質問すると、園の雰囲気や働くイメージを描きやすくなるでしょう。

小規模保育園に向いている保育士さんの特徴

小規模保育園は保育士さんの就職先としても人気がありますが、「自分の性格や希望の働き方に合っているか」「目指す保育を実現できるか」をしっかり確認することも大切です。
ここでは、小規模保育園の保育士さんに求められる力と実力を発揮できる長所を紹介します。

子どもの変化や成長に気付ける人

小規模保育は少人数である分、子ども一人ひとりの小さな変化やサインに気づき、適切に対応できる観察力が求められます。
「いつもと顔色が違う気がする。どうしたんだろう?」と普段の行動や様子との違いに疑問を持って対応したり、「○○が上手になったね!」と子どもの成長を一緒に喜んだりできる人は、少人数保育園で力を発揮しやすいでしょう。

きめ細やかな対応が得意な人

少人数の保育園は保育士さんと保護者様との距離が近いため、日々の子どもの様子を丁寧に伝えたり、保護者様からの相談に柔軟に応じたりするコミュニケーション能力が重要になります。
子どもや各家庭の個別のニーズに応じた対応を求められた時に、固定観念や前例にとらわれず、柔軟に対応できる人が向いているでしょう。

自分から周囲に報告・連絡・相談ができる人

きめ細やかな対応が求められる小規模保育園では、職員間のこまめな情報共有や助け合いが必要不可欠です。
現場では、子どもに対して個別に気を付けるポイントや保護者様の要望に対応可能かどうかなど、日々さまざまなイレギュラーが発生します。小さなことの共有漏れが事故に繋がることもあります。
業務を円滑に進めるためには、日ごろから周囲とコミュニケーションをとり、報告・連絡・相談がしやすい信頼関係を築くことがカギとなります。

丁寧な保育が好きな人

小規模保育園の保育士さんには、「一人ひとりの子どもにじっくり向き合いたい」という気持ちが強い人に向いています。
実際に大規模保育から小規模保育の現場に転職した保育士さんの中にも、「大規模な幼稚園で働いた経験から、少人数保育に興味を持った」「自分自身も心にゆとりを持って働ける保育園で働きたい」と考える人が多くいます。

次の記事では、「一人ひとりのお子さまをサポートできる少人数の保育園で働いてみたい」と当社に転職された社員のインタビューを紹介しているので、あわせてご覧ください!

さまざまな業務に前向きに取り組める人

職員数が少ない小規模施設では、子どもたちや保護者様と接する以外にも保育園運営や事務作業などのさまざまな業務を担当する場合があります。
そのため、保育以外の幅広い業務にも前向きかつ柔軟に取り組める人が向いています。

保育以外の業務の例

  • 連絡帳の記載
  • おたよりの作成
  • 行事・出し物で使う小道具や衣装製作
  • 保育の年間計画などの作成
  • 職員のシフト作成、就業管理
  • 会議や打ち合わせなど


乳児の保育に興味関心がある人

小規模保育には、0歳児~2歳児の特性を理解し、子どもたちの成長や発達を丁寧に見守ることにやりがいを感じる人が適しています。
保育を学ぶ中で湧いた興味関心や実際に現場で働いた経験から得た、「乳幼児の保育をさらに知りたい」「自分に向いているのではないか」などの気付きも大きなモチベーションになるでしょう。

小規模保育のメリットを知って、働きやすい職場を見つけよう!

小規模保育園で働く主なメリットは、「一人ひとりの子どもや保護者様にきめ細やかな対応を行えること」「温かみのある保育環境で働けること」が挙げられます。
一方で、自分にとって働きやすい職場かどうかは、運営団体の方針や人員体制、勤務条件などによって大きく異なります。

小規模保育園のメリットとデメリット、求められる力を知ったうえで小規模保育園への就職や転職にチャレンジすれば、あなたにぴったりの職場が見つかるでしょう!

次の記事では、小規模保育園への就職を考えている保育士さんにぜひ読んでいただきたい、就活のポイントを紹介しています。働きやすい保育園の選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください!
   

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