保育士に多い転職理由

転職したいと考える理由は様々ですよね。
保育士の転職理由はどのような内容が多く挙げられるのでしょうか。

人間関係に悩んでいる

よくある理由のひとつが、保育施設内での人間関係の問題。
・同僚や上司と意見が合わない
・職員同士のコミュニケーションが少ない
・悩みを相談できる相手がいない
などといった理由から、不満やストレスを感じ転職を考えるケースは少なくありません。

残業や持ち帰りの仕事が多い

保育士の仕事は子どもと関わることだけでなく、午睡時や子どもたちの登園前・降園後も多くの仕事を抱えています。
・勤務時間内に仕事が終わらず残業が多い
・毎日のように仕事を持ち帰っている
・職員の数が少なく一人当たりの負担が大きい
こうした働き方に嫌気がさしてしまう保育士も多いようです。

施設の方針と考え方が合わない

保育士なら誰しもが「こんな保育がしたい」と理想を描いていますよね。
しかし園によって方針は様々。
想い描いていた保育ができないという点も転職理由のひとつになっています。
・保育の考え方や進め方に不満がある
・意見や提案ができず思い通りの保育ができない
・価値観が違いやりがいを感じられない

給与や待遇に不満がある

保育士の給与や待遇に関してニュースなどで報道されることもあり、「給与が低い」「待遇が悪い」とイメージする人も多いようです。
・給与が低く将来への不安を感じる
・残業手当が出ない
・仕事量に対して給与が見合っていない

体力が持たない・体調を崩してしまった

元気いっぱいの子どもたちと一緒に遊んだり、小さな子ども達を抱っこしたりと、体力も必要な保育士の仕事。
・腰や膝を痛めてしまった
・持病が悪化してしまった
などといった転職理由も多く聞かれます。

転職理由を伝える3つのコツ

このような理由から転職しようと考えても、実際に転職活動を始めると「転職理由をそのまま伝えて良いのかな?」と悩んでしまいますよね。
質問に対して正直に答えることは大切ですが、答え方によっては、マイナスなイメージを持たれてしまいかねません。
面接で好印象を与えるためにも、転職理由を答える際はいくつかのポイントをおさえておくことが大切です。

ポジティブに言い換える

人間関係や給与、残業などによる転職理由は、そのまま伝えてしまうと不満に聞こえてしまい「転職しても同じような不満を抱えるのではないか」「入社してもまたすぐに辞めてしまいそう」とネガティブに捉えられかねません。
転職理由を伝える際は、想いを率直に話すのではなく、事実や感じていることをポジティブに変換することが大切です。​
例えば、
・職員同士のコミュニケーションが活発で風通しの良い職場で働きたい
・頑張りや成果をきちんと評価してもらえる環境で働きたい
など、前向きな内容に言い換えることで、同じ理由でも好印象を与えることができます。

一貫性を持たせる

面接では、転職理由を含め、自己PRやキャリアプランなど様々な内容から一人ひとりの考えや人間性を判断します。
全体的な内容に統一感を持たせることで、説得力が増し印象も良くなります。
また、応募先の園の理念や方針と自身の転職理由がマッチしているかどうかを確認しておくことも大切です。
例えば、小規模園に応募しているにも関わらず「多くの子どもたちと幅広い遊びや様々な関わりをしたい」という理由では合致しませんよね。
園の理念や方針とあなたのやりたい保育の方向性が同じなら、あなたがその園でより認められやすいでしょうし、面接官もあなたとともに働くイメージがつきやすいでしょう。
転職理由やキャリアイメージに一貫性があるかどうか、きちんと整理しておきましょう。

批判は避け、キャリアビジョンを伝える

前職での不満が転職理由の場合、面接で前職のことを批判的に話してしまいそうになるかもしれません。
しかし面接官は、批判や不満ではなく「困難や壁とどう向き合っていくか」や「これからどうしていきたいか」などといった、自身の考え方や展望を聞きたいと思っています。
また、前職の批判は、場合によって個人情報や機密情報に触れてしまう可能性もあり、機密保持の意識が低いと捉えられてしまうことも。
決してプラスにならない批判や不満は避けて、次の職場でどのように働きたいか、将来どのようになりたいかといったキャリアビジョンを伝えるように心がけましょう。

【パターン別】転職理由の伝え方<例文>

これらのポイントを踏まえて、印象の良い転職理由例をパターン別にご紹介します。

人間関係の場合

転職理由:上司や同僚に意見を聞き入れてもらえず人間関係がうまくいかなかった

【例文】

保育士同士が意見を出し合い皆で園を作っていけるような風通しの良い保育園で働きたいと考え、転職を決意しました。貴園では、保育士の意見を尊重し形にできるよう、定期的な意見交換会やミーティングが行われていると伺い、保育士同士のコミュニケーションを大切にされている点に魅力を感じ志望させていただきました。また、互いに意見を出し合いながらこれまで以上に知識を深め、より質の高い保育に貢献できるよう努めたいと考えております。


<ポイント>「意見を聞き入れてもらえなかった」というネガティブな内容を「意見を出し合える風通しの良い環境で働きたい」というポジティブな表現に言い換え、これからどんな風に働きたいかというビジョンを伝えましょう。

仕事量が多い場合

転職理由:仕事量が多く労働時間が長かった

【例文】

前職ではパソコンを使った業務ができる職員が少なく、事務作業の多くが手作業だったためどうしても労働時間が長くなってしまっていました。貴園では、出欠や勤怠管理など様々な面でシステムを導入し業務効率の向上を図っていると伺い、オン・オフのメリハリある働き方ができると感じ志望いたしました。また、保育以外の業務の効率化を図ることで、子どもたち一人ひとりとより深く触れ合う時間を大切にできる点も魅力に感じています。


<ポイント>労働時間が長かったことは事実ですので、無理にごまかしたり濁したりする必要はありません。
ただし、労働時間が改善されることでどんなことを実現したいのか、募集する園のどのような体制に魅力を感じているのかなどを具体的に伝えることが大切です。

保育方針の違いの場合

転職理由:園の方針や理念と自分の考え方が合わなかった

【例文】

転職しようと思った理由は、子どもたち一人ひとりの個性を尊重し、のびのびと生活できるようなアットホームな園で働きたいと思ったからです。前職の園は教育に力を入れており、数字やひらがな、英語教育など様々なカリキュラムがありました。もちろんそうした園生活の中で子どもたちの成長も感じられましたし保育者として学びも多かったと感じています。しかし、より一人ひとりの個性を大切にし子どもたちと深く関わりたいと思い、貴園の個々を尊重した自由な園風に魅力を感じ志望いたしました。


<ポイント>どの園や会社にも方針や理念はあるもの。
そうした方針・理念を否定するような表現は控えた方が良いでしょう。
面接管から「うちの方針と考え方が似ているな」と思ってもらえるよう、園の方針や理念と自信の思考がマッチしているかどうかを事前に確認しておきましょう。

待遇面の場合

転職理由:給与が低くボーナスも出ない

【例文】

仕事での成果や保育士としての能力をきちんと評価してもらえるような制度の整った環境で、自分の力を試したいと考え転職を決意しました。段階別の人事評価制度やキャリアごとの研修などが充実している貴園で、ひとつひとつ成長しキャリアアップを目指したいと思い志望いたしました。


<ポイント>待遇面の不満は「入社してもさらに好条件を求めて辞めてしまうのでは?」という印象を与えかねません。
評価制度やキャリアアップに目を向けた表現に言い換えることで前向きな姿勢ややる気を感じてもらいやすくなります。

体調不良の場合

転職理由:仕事が原因で体調を崩してしまった

【例文】

前職では腰痛が悪化し通院が必要になってしまったため、周囲への迷惑を考慮し退職しました。しかし、再度保育の仕事にチャレンジしたいという気持ちを諦めきれず、復職を目指し3ヶ月治療に専念しました。現在は回復し医師からも問題ないと診断されております。今後は定期的なメンテナンスを行いながら、再発を予防しながら保育士として再出発したいと考えております。


<ポイント>体調不良や病気といった転職理由は、どの職場においても不安視されてしまいがちです。
そのため、他の理由がある際は、体調不良以外の理由を伝えることをお勧めします。
ただし、それ以外の理由がない場合やきちんと体調不良の事実を伝えておきたい場合、「すでに療養が終わり、仕事に支障がない」旨をきちんと伝えましょう。

将来の展望が伝わるポジティブな転職理由が成功へのカギ!

今回は、保育士の転職理由と印象の良い伝え方についてご紹介しました。

転職理由は人によって様々ですが、必ずしもポジティブな内容ばかりではなく、時にはネガティブな内容もあると思います。
しかし、履歴書や面接で理由をそのまま伝えるだけでは、「不満や批判ばかり言う人」「すぐに辞めてしまいそう」という印象を与えてしまいかねません。

転職理由を伝える際は、事実をポジティブな表現に変換し、過去のことばかりでなく「これから先どうなりたいか」という将来のビジョンをきちんと語るように心がけましょう。
そうすることで、面接での印象が良くなるだけでなく、ご自身も前向きな気持ちで転職活動に臨むことができますよ!

ぜひ今回ご紹介させていただいた例文も参考にしていただきながら、あなたに合った転職先を見つけてくださいね。
   

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