保育園でのお正月遊びのねらいとは?

まずは、保育園でのお正月遊びのねらいを紹介します。
お友だちや保育士の先生との遊びや会話を通して、楽しみながら日本の伝統行事に親しみましょう。

お正月とはどのような行事かを知る

お正月とは、1年の始まりにやってくる年神様をお迎えする行事です。
子どもたちには「お正月にやってくる神様をお迎えすると、みんなが元気いっぱい過ごせるようにお祈りしてくれるんだよ」と伝えるとわかりやすいでしょう。

日本の伝統文化に親しむ

保育園では、子どもたちに遊びを通して日本の伝統文化に親しんでもらいましょう。
子どもたちは、はじめて見る羽子板やコマなどのおもちゃに興味津々のはず。
お正月遊びの中で、子どもたちの好奇心も引き出していけるとよいですね。

新たな1年のスタートを祝う

保育園では、お正月飾りの準備をしたり、お友だちや保育士さんと新年のあいさつをしたりなど、新たな気持ちで1年をスタートする気持ちを高めていけるとよいでしょう。
ゲームや手遊びを取り入れると、はじめてお正月を迎える子どもたちも自然に定着しやすくなります。

乳児向けのお正月遊び

続いて、乳児向けのお正月遊びを紹介します。
0~2歳の子どもたちには遊び方や文字の理解が難しいため、五感を使って楽しめる遊びがおすすめです。

お手玉

やわらかい手ざわりのお手玉は、月齢の小さな子どもたちも安心して遊べます。
お手玉をにぎったり、保育士さんが片方の手にお手玉を隠して「どっちにあるかな?」とクイズをしてみたりなど、遊び方のバリエーションはさまざまです。
お手玉を得意とする保育士さんがパフォーマンスを披露すれば、さらに盛り上がること間違いなしですね。

福笑い

福笑いは、新年にみんなで笑い合うことで1年の幸せを祈願したのが由来といわれています。
目隠しをして、おかめの顔のパーツを並べる福笑いは、月齢の小さな子どもたちも遊びやすいでしょう。
はじめは保育士さんが実演を行いながら、お友だちとみんなで楽しめるとよいですね。

絵本の読み聞かせ

保育士さんから子どもたちに、お正月にまつわる絵本を読み聞かせてあげるのもおすすめです。
絵本を通して、おもちやだるまなどのお正月の文化に触れることができます。
月齢の小さい子どもたち向けなら、絵の線や色がはっきりしたものや、仕掛け絵本などを選ぶと興味をひきやすいでしょう。

おすすめのお正月絵本

  • おもち!(作:石津 ちひろ 出版社:小峰書店)
  • だるまさんシリーズ(作:かがくい ひろし 出版社:ブロンズ新社)
  • あけましておめでとう(作:中川ひろたか 出版社:童心社)


お正月にまつわる絵を描く

鏡餅や干支の動物など、お正月にまつわる絵を描いてみましょう。
干支に登場する動物は、うさぎやいぬ、ねずみなど、子どもたちにも書いてもらいやすいのではないでしょうか。
はじめてお正月に触れる子どもたちのために、保育士さんがわかりやすいお手本を用意して、一緒に描けるとよいですね。

お正月飾りの製作

画用紙や折り紙を使って、門松やだるまなどのお正月飾りを作ってみましょう。
月齢の小さい子どもたちのクラスでは、保育士さんが骨組みとなる大きな輪郭を作り、子どもたちには飾りの貼り付けやお絵描きをしてもらうとスムーズです。
また、製作しながら子どもたちのイメージをふくらませるような声かけを行うと、表現することの楽しさや好奇心を引き出すことができます。

幼児向けのお正月遊び

続いて、3~5歳の幼児クラス向けのお正月遊びを紹介します。
子どもたちとお正月遊びに使うおもちゃを手作りすると、伝統行事への愛着や親しみが湧きやすいでしょう。

羽根つき

無病息災を願うことが由来とされる羽根つきは、お正月を代表する遊びです。
全身を使って遊べるので、子どもたちの外遊びにもぴったりですね。
羽子板を手作りする時は、牛乳パックを使うと折れにくく丈夫なものができあがります。

かるた

かるたは、保育士さんが読み札を担当し、子どもたちが絵札をとるとスムーズです。
子どもたちの年齢や言葉の理解度に合わせて、絵がわかりやすいものやひらがなで書かれたものを用意しましょう。
また、かるたを製作する時は、子どもたちにお題となるひらがなを1文字ずつ渡し、好きな単語を書いてもらうとよいでしょう。

おみくじ

「なにが当たるかな?」とワクワクするおみくじは、保育園の遊びとしてもおすすめです。
おみくじの中身は、大吉や凶などの運勢ではなく、イラストやひらがなで「お片付けをしましょう」「お友だちと仲良くしましょう」などのポジティブな内容が書かれているとよいですね。

すごろく

お友だちや保育士さんと一緒に楽しめるすごろくは、保育に取り入れやすい遊びのひとつです。
画用紙やクレヨンを使って作るオリジナルのすごろくや、フラフープを地面に並べて作る巨大すごろくなど、遊び方のバリエーションも豊富です。
すごろくを通して、サイコロを振る順番を守ったり、数を数えたりなど、さまざまな力も培われます。

コマ回し

お正月の代表的な遊びといえば、コマ回し。
子どもたちにとっては糸を巻いて投げるタイプのコマは難しいため、柄の部分をひねるだけで回せるコマなど、やさしく扱えるコマを用意するとよいですね。

けん玉

けん玉は、昔ながらの遊びのひとつです。
一般的な木製のけん玉はこどもたちにとっては難易度が高いため、紙コップや画用紙などで手作りのけん玉を作ると、子どもたちも遊びやすくなります。

凧揚げ

外で楽しめるお正月遊びといえば、凧揚げです。
子どもたちと絵を描いて世界に一つだけの凧を作り、大空に揚げるのも楽しいですね。
凧を飛ばす時は、保育士さんが凧を持つ役になり、風を見ながら声をかけるなどのフォローを行いましょう。

お正月にちなんだ手遊び歌

ここでは、お正月にぴったりの手遊び歌を紹介します。
YouTubeなどの動画サイトにもさまざまな手遊び歌が載っているので、振り付けを参考にしてみましょう。

お正月

「お正月」は、「もういくつ寝るとお正月」のフレーズで有名な童謡です。
年末に歌えば、お正月をワクワクして待つ気持ちを高めることができます。
お正月にはどのようなことをするか、子どもたちと話し合うのもよいですね。

今年もどうぞよろしくね

「今年もどうぞよろしくね」は、お正月のあいさつである「あけましておめでとう」と「今年もどうぞよろしくね」を楽しく学べる手遊び歌です。
ポイントは、「あけまして」のフレーズで手をパッと開いた時に、ニコニコの笑顔を見せるとよいでしょう。

グーチョキパーでなにつくろう?(お正月バージョン)

子どもたちが大好きな手遊び歌「グーチョキパーでなにつくろう?」をお正月にまつわる事柄にアレンジして歌うのもおすすめです。
お正月ならではのジェスチャー例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

お正月におすすめのジェスチャー例

  • お雑煮(右手はチョキでお箸、左手はパーでお皿をイメージし、食べるジェスチャー)
  • 初詣(右手も左手もパーで、手を合わせるジェスチャー)
  • 凧揚げ(右手はパーで凧、左手はチョキで凧の骨をイメージし、凧が飛んでいるジェスチャー)
  • 鏡餅(右手も左手もグーで、縦に重ね合わせて鏡餅を表現)
  • 初日の出(右手はパーで水平線、左手はグーで日の出をイメージし、水平線から日の出が昇る様子をジェスチャー)


保育園でのお正月遊びを通して、日本の伝統文化に親しもう

お正月は、新しい1年のはじまりを祝い、今年も元気に過ごせるように願うイベントです。
子どもたちの月齢に合わせたゲームや手遊び歌、お正月遊びに使うおもちゃの製作などを通して、お友だちや保育士さんと楽しみながら日本の伝統文化に親しめるとよいですね。

保育士さんも、お手玉やけん玉、イラストなど、自分の特技を披露すれば子どもたちに喜んでもらえるはずです。
年末年始は忙しく、保育士さんにとっても大変な時期ですが、今回紹介したアイデアを参考に、みんなで楽しめるお正月遊びを実践してみてくださいね。
   

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