保育士の職員面談の内容とは?

保育園の職員同士で行う個人面談には、主に4つの種類があります。
はじめに、それぞれの面談の目的と内容をみていきましょう。

目標を設定するための面談

目標設定のための面談は、保育園や会社全体で個人目標制度を取り入れている場合、保育士一人ひとりが設定した目標を共有・決定するための話し合いです。
園長は、一人ひとりが立てた目標や考えを受け止めつつ、相手の経験やスキルに合わせて無理のない目標を設定できるように導くことが大切です。

定期的なコミュニケーションのための面談

コミュニケーションを目的とした面談は、保育士に日頃考えていることや感じていることを話してもらい、保育園のサービス向上や業務効率化に役立てるためのものです。
さらに、保育士に考えや感情を口に出してもらうことで、リラックスを促す意図もあります。
入社して間もない新入社員の場合は、1週間ごとや1ヶ月などの短いスパンで面談を行い、細やかなフォローを行うとよいでしょう。

期末または半期の評価面談

評価面談は、期末や半期ごとの評価の結果をフィードバックするための面談です。
会社や上司からの評価を社員に伝えるとともに、本人の自己評価に相違がないかの確認を行います。
現在抱えている課題は、次期の目標設定にも活かせます。

※参考:次の記事では、当社アルファコーポレーションの人事評価制度を紹介しています。
企業理念に沿った明確な基準を設け、キャリアマップとして見える化を実施しながら、社員のステップアップを図っています。

今後の意向調査のための面談

意向調査のための面談は、就業の継続、退職、担当クラスの希望など、保育士の意思を聞き取るための面談です。
「来年も同じクラスを担当したい」「異なる年齢のクラスで経験を積みたい」など、保育士本人の考えを知るチャンスになります。
保育士から退職や休職などの申し出があった場合は、相手の気持ちに寄り添いながら、力になれることはないかを確認する姿勢が必要です。

保育士の職員面談の準備のポイント

続いて、保育園での職員面談で意識したいポイントや準備することを紹介します。
「職員にリラックスして話してもらいたい」「通常業務が忙しく面談の時間が作れない」という園長先生は、ぜひ参考にしてくださいね。

面談の目的を共有する

保育士に面談の開催日時を伝える際には、同時に面談の目的も周知しましょう。
上司との面談は、面談を受ける側の保育士にとっては「どんなことを聞かれるのだろう?」「怒られるのかな?」と不安が膨らみやすいものです。
事前に目的を伝えることで保育士側も話す内容を事前に整理でき、スムーズに対応しやすいでしょう。

職員面談を定期行事にする

「日々の業務が忙しく、職員面談の時間がとれない」という保育園では、面談を定期行事にする方法もあります。
保育園では子どもたちや保護者様への対応が最優先になりますが、保育士同士の面談やコミュニケーションも、園のサービス向上や業務効率アップのためには欠かせないことです。
お昼寝の時間や子どもの数が少ない時期など、タイミングを見計らって短時間でも面談時間をこまめに設定しましょう。

面談を行う環境を整える

落ち着いて個人面談を行うには、静かな環境を整えることが大切です。
場所を選ぶ時は、子どもたちが入らないバックヤードや会議室などを使用しましょう。
また、机の配置は、2人が正面で向かい合って座ると心理的な威圧感を与えやすいため、リラックスしやすい横並びやL字型の配置がおすすめです。

保育士の職員面談の質問例と本音を引き出すキーワード

ここでは、園長先生による保育士面談での質問例を紹介します。
本音を引き出せる聞き方のコツも紹介していますので、ぜひ取り入れてみてくださいね!

「子ども・保護者様の対応で困ったことはありましたか?」

職員が業務の中で困っていることは、できるだけ詳しく聞いてフォローをしたいものです。
「大丈夫だった?」という聞き方をするとそのまま「大丈夫でした」と答える人が多いため、「困ったことはある?」「大変だった?」と質問することで、スムーズに本音を話してもらいやすくなります。

「○○で気になることはありますか?」

保育士が現場で感じる小さな気付きも、サービス向上や業務効率化のための重要なヒントになります。
漠然と「何か気になることはある?」と聞いてしまうとすぐに思い浮かばないことがあるため、「子どもたちとの遊びの中で、気になることはある?」など、テーマを絞って聞くと答えを引き出しやすくなります。

「今後チャレンジしてみたいことはありますか?」

面談では、保育士本人が今後やってみたい業務を聞いてみるのもよいですね。
新しいクラスの担当や、新人指導、事務処理など、意外な希望や特技を知るきっかけになるかもしれません。
すぐに希望を実現するのは難しい場合もありますが、本人の意思をくむことで、より強いモチベーションを持って業務に取り組めるはずです。

職員に安心感を与えるフォローのコツ

保育園の職員面談で、「保育士のモチベーションアップにつなげたい」「建前ではなく本音で話してもらえる関係になりたい」と思っている園長先生も多いのではないでしょうか。
ここでは、相手が心を開きやすくなる声かけやアクションのコツを紹介します。

相手の言葉を聞く

面談で最も大切なことは、相手の職員の言葉に耳を傾けることです。
自分の気持ちを話すことが苦手な人も、話を聞いてもらえると「相手に受け入れられている」と安心し、徐々に「本音を話してみよう」と心を開くようになります。
話の途中で笑顔やあいづちなどのリアクションを加えると、相手をさらにリラックスさせられますね。

相手の考えや気持ちを肯定する

面談では、たとえ自分と違う意見だとしても、相手の考えや気持ちを受け止められるとよいですね。
頭ごなしに否定するのではなく、一言目は「そう思うよね」「素敵なアイデアだね」とポジティブな言葉で肯定してから自分の意見を述べると、こちらの言葉も聞き入れてもらいやすくなります。

自分自身の失敗談を話す

相手に納得してもらえるように説明をしたい時は、自分自身の過去の失敗談を語る方法もおすすめです。
「尊敬する園長先生にもそんなことがあったんだ」と親近感が湧いたり、「悩んでいるのは私だけじゃないんだ!」と安心できたりすると、立場を越えて心の距離が縮まります。

同じ目線に立って一緒に考える

保育園では園長(上司)と保育士(部下)の関係であっても、子どもたちや保護者様をサポートする仲間という意識を持ち、同じ目線で一緒に考える姿勢が大切です。
職員が「園長先生の言うことだから聞かなきゃ」「一方的に押し付けられた」とモヤモヤを感じてしまうと、モチベーションの低下や信頼関係の悪化につながります。
一方的な指示ではなく「一緒に考えてみよう!」「○○さんはどう思う?」と同じ目線で対話することで、相手も「大切にされている」「尊重してくれている」と前向きな気持ちを持てるでしょう。

面談後もフォローアップをする

面談で話した課題や目標は、その後の業務の中でも継続してフォローできるとよいですね。
保育士自身が「ちゃんと見てくれて嬉しい」「頑張ってよかった!」と実感できると、自分のスキルに自信を持つようになり、やる気の向上につながります。
園長と保育士の信頼関係もさらに深まっていくでしょう。

アルファコーポレーションなら管理職のフォロー体制も万全

アルファコーポレーションでは、若手社員だけでなく、管理職に就く社員向けの研修にも力を入れています。
当社では、時代や環境の変化とともに新たな保育の知識やスキルを学び、成長し続けることが大切だと考えています。

園長先生同士のコミュニケーションも活発に行われているので、勤務先の保育園のほかにも悩みを共有できる仲間ができ、安心して働くことができます。
次の記事では、当社の園長向け研修のリポートを紹介していますので、ぜひご覧くださいね!

保育士の職員面談は相手にリラックスしてもらうことが大切!

保育士の職員面談は、安全・安心な保育を実現し、職員がより働きやすい職場を作るためになくてはならないものです。

そうはいっても、面談を受ける側の保育士は、どうしても緊張してしまう人が多いはず。
面談では、相手を受け入れる姿勢やポジティブな声かけを心掛けると、心がほぐれて本音を話してもらいやすくなります。

職員とコミュニケーションをとりながら、「話してよかった!」「また園長先生に相談しよう!」と頼りにしてもらえる関係が築けるとよいですね。
   

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