保育士として転職する場合、「自己分析」を行って自分を見つめ直し振り返っておくことが大切です。
「そもそもどうやって行えばいいの?」「自己分析をすると何がわかるの?」などの疑問を持つ方もいることでしょう。

そこで当記事では、保育士として転職する際に必要な自己分析の方法をお伝えするとともに、自己分析ツールや他己分析についても紹介していきます。

この記事を読むことで、効果的な自己分析や他己分析の方法などについてがわかります。

保育士の転職でなぜ自己分析が必要なのか

就職活動をする際、自己分析をして自分のことを振り返る作業が欠かせません。保育士として転職する場合についても同様です。
ここでは、なぜ自己分析が必要なのか具体的に解説していきます。

どのような園で働きたいのか明確にするため

保育士が転職先を選ぶ際、特に重視したいのが希望する保育所との相性です。
園が掲げている理念や方針に共感できないと、勤務するうえでストレスや不満を感じてしまったり、その職場で長く勤められなかったりすることになりかねません。

自己分析を行っておけば、自分がどんな園で働きたいのか、どんな方針や理念を掲げた園を希望しているのか、客観的にチェックすることができます。

経験やスキルをチェックできる

面接で自分をアピールするためには、今までの経験や実績、スキルなどを伝える必要があります。
過去にどのような園で働き、どんなことに力を入れてきたのか明確にすることができます。

保育士として働いてきた中で、リトミックやピアノ、コミュニケーションなどのスキルを高めるため積極的に研修会へ参加したことや、資格を取得した経験など、これまでの取り組みを振り返りましょう。

振り返りをすると自分の得意なことや苦手なことも再確認でき、これからどのようにいかせばよいのか見えてくるのです。

自分の強みがわかる

自分の強みや長所をアピールするのは大切ですが、さらに成長するため短所や失敗した経験についてもきちんと振り返るようにしましょう。

失敗した経験を伝えるとき、どのようなことを学んだのか、今後どのようにしていきたいのかもあわせて伝えていくと、前向きな印象を与えられます。

また、短所と長所は表裏一体であるため、欠点だと思っていた部分を自分の良い一面として言い換えることができるのです。

具体的には、優柔不断な性格の場合、慎重に行動するタイプだと言えます。お子さまが安全に園生活を送れるよう業務の中で慎重に物事を進めていることをアピールできます。

短所を再確認すると、自分の新たな一面の発見に繋がることでしょう。

しっかりアピールできるよう考えをまとめる

履歴書や面接対策のときに、自己PRや志望動機で悩む方は多いものです。

長所や短所など、面接でどのように伝えるのかあらかじめ整理しておかないと、試験当日「緊張してうまく言葉にできなかった」ということになりかねません。

自分の考えをしっかりと言葉で伝えられるよう、きちんと自分を見つめ直したり整理したりすることが大切です。

転職先に求めるこだわりや条件を整理できる

転職して働き始めたとしても、「イメージしていたところと違った」というケースも多々見られます。このようなミスマッチは、自己分析や事前に綿密な情報収集をしておくことで減らすことができます。

待遇面だけをみるのではなく、自分のこだわりたいことや外せない条件についてもピックアップしてみましょう。

保育士が転職活動で自己分析するときに注目したいポイント

保育士として転職する際、自己分析で特に注目するべきポイントについて紹介していきます。

性格について

自分の性格について振り返りをしておくことは非常に重要な作業だと言えます。
「人と接するのが好き」「社交的」といった傾向がある場合、長所としてアピールしやすいでしょう。

また、性格を自己分析する時は、よい面とともに悪い面も考慮しておくことが大切です。
たとえば、心配性で慎重になりすぎる場合、一見するとマイナスに聞こえてしまうかもしれません。しかし保育士は、お子さまに安全・安心な保育を提供する仕事なので、慎重に行動できるのは強みになります。

自分の短所である部分を、保育士としてどのように活かしていくかを分析できるとよいでしょう。

経験や実績についてチェック

保育士として転職する場合、過去の経験や実績は大きな強みでありアピールポイントになります。

「自分はそんな経験や実績は持っていない」と思う方もいるかもしれません。
例えば、お子さまたちとのエピソードや保護者様とのやり取りなどは、立派な経験や実績としてアピールできます。

過去にいた職場でどんな経験をしてきたのか、どういった実績があるのか、些細なことでも大丈夫なので、過去の自分をじっくり振り返ってみましょう。

自分の持っているスキル

保育士のほかに、保育現場で役立つ資格を持っている場合、それは大きな強みになります。
食育スペシャリストや絵本専門士、リトミック指導員などの資格を持っている方は、なぜ取得しようと思ったのか、仕事でどのように活かしていきたいのか面接で説明できるようにしておきましょう。

特別な資格がなくても、体力に自信があってお遊戯が得意な方や、ピアノが得意な方は保育業務に活かすことができるため、アピールするのがおすすめです。

お子さまたちと一緒に作品づくりを行う機会も多いので、手先が器用な場合も保育士として働く上で有利だと言えます。

他にも人と接することが好きな方はコミュニケーションを取るのが得意であると面接で伝えることができます。

保育士の転職に有効!自己分析に効果的な方法とは?

保育士の転職に役立つ自己分析の方法についてご紹介していきます。実際に書き出して、振り返ってみましょう。

自分史を作る

自分の学生のときの経験を振り返り、自分史を作成してみましょう。
学生時代や今まで保育士として経験してきたことを書き出してみてください。

その出来事に対して感じたり考えたりしたことや、今の自分にどのような影響を与えたのかなどを、具体的に深掘りしてみましょう。

楽しかったことや悲しかったこと、挑戦してきたこと、失敗談などを思い出して深掘りしていくと、自分の性格や価値観などを具体的に把握することができます。

保育士の仕事とあまり関係がないと思う事柄であってもアピールポイントにつながることがあるため、思い出せる限り書き出してみるとよいでしょう。

キャリアを振り返る

保育士の転職の場合、現場では即戦力として期待される場面が多くなります。今までのキャリアが強みとしてアピールできるため、しっかりと振り返ることが大切です。

以前の職場での経験を振り返り、保育士として働く上での自分の強みや弱点、今後の課題を明確にしておきましょう。

成功体験を振り返る

過去にいた職場で、保護者様から喜ばれたことや同僚に褒められた出来事などを具体的に思い出してみましょう。
その出来事がなぜ成功したのか、お子さまとどのように関わったことが良かったのか、しっかりと振り返ってみてください。

この作業を行っていくと、保育士をするうえでの自分の強みがわかり、面接でアピールすることができます。

失敗体験を振り返る

過去の職場でうまくいかなかったり、失敗してしまったと感じた経験についても、振り返りをしてみましょう。

なぜうまくいかなかったのか、失敗を防ぐために必要な点、どのような面に力を入れていくべきだったのかなど具体的に考えてみることが大切です。

失敗というとネガティブな印象を与えてしまうため、面接でこういった話題を避ける方もいることでしょう。
しかし、失敗から学んだことやどのように乗り越えたかなどを面接で伝えられると、自分についてきちんと分析できており、向上心がある人物だとアピールできます。

保育士の転職に使える!自己分析ツール

保育士の転職や就活の際に使える自己分析ツールの紹介をしていきます。自分の性格傾向をつかめるものなので自分の強みを再確認でき、弱点とその対策についても把握することができます。

いずれもネットで手軽に行えるので、ぜひお試しください。

日本エニアグラム学会「簡易タイプ診断」|9タイプに分類できる

エニアグラムとは、用意されている設問に答えていくと性格の傾向を知ることができる簡易診断です。

この診断を行うと、「改革する人」や「人を助ける人」、「達成する人」、「個性的な人」など、9つのタイプに分類されます。それぞれに優劣があるのではなく、それぞれの性格や特徴、行動スタイルなどを明確化することが可能です。

今まで自分で気付かなかった性格や思考、長所・短所を見つけられるため、保育士として働くうえで役立つはずです。

■リンク|日本エニアグラム学会

16Personalities|16種類の性格分類

ユング心理学とMBTI性格検査の二つの心理学を元に作られたものです。16種類の性格類型が設定されています。

このツールを用いることによって、自分の性格傾向をつかむことができます。面接に有効活用するためには結果をそのまま用いるのではなく、自分の強みを見つけたり、弱点に対する課題を探したりすることが大切です。

■リンク|16Personalities公式サイト

保育士の転職活動では他己分析も大切

自己分析で自分について理解を深めることは大切ですが、主観的な情報に偏ってしまうことがデメリットに挙げられます。

客観的な視点で自分を把握できる「他己分析」を取り入れると、自己分析では思い浮かばなかった新たな一面を知ることができるのです。

ここでは、保育士として転職する際に役立つ他己分析のメリットや方法についてお伝えしていきます。

自分を客観的に知ることができる

他己分析は周囲に意見を聞けるため、自分について客観的に知ることができます。
自己分析は1人で行うため主観的な部分が出てしまいますが、他己分析で周囲の意見を聞けると自分で気付かなかったポイントの理解に繋がります。

保育士として働く時にも役立つ

自己分析だけを取り入れると、どうしても偏りが生じたりするものです。しかし、他己分析は家族や友達などの評価をもとに、客観的な主張が可能です。面接官には客観的な視点を持っていることを印象付けられ、面接が有利に進みます。

保育士として勤務する上では、客観的に物事を分析する能力を求められるため、他己分析の手法が役立つはずです。

保育士の転職活動|他己分析のやり方とポイント

ここでは、他己分析のやり方とポイントについて詳しく紹介していきます。

自己分析をする

他己分析を行う前に、自己分析をしっかりと行う必要があります。
自分がどのような人なのか、自分史をつくりながら成功談や失敗談など振り返りましょう。
その後自己分析を行い、結果を照らし合わせてみることで新たな発見に繋がります。
以下に他己分析の質問例をピックアップします。

他己分析の質問例

  1. どのようなところが長所と短所だと思いますか
  2. どのようなタイプの性格だと思いますか
  3. 集団でいる時、どのような役割をこなしていますか
  4. 関わってから第一印象とのギャップはありましたか
  5. どのような仕事に向いている人だと思いますか
  6. 印象的だったエピソードはありますか
  7. 改善した方がいいと思うところはありますか
  8. もっと伸ばした方がいいと思うところはありますか
  9. 他の人に紹介するとしたら、どんな人として紹介しますか


他己分析では、ポジティブなことだけではなくネガティブな質問を取り入れることも重要です。掘り下げたい内容についても質問に取り込んでみましょう。
質問を考える場合、具体的でわかりやすい内容にするのがポイントです。そして、「なぜそのように思ったのか」も一緒に尋ねてみると、さらに深堀りすることができるでしょう。

他己分析を依頼する人を決める

自己分析と質問項目の準備が整った後、他己分析をお願いする人を決めます。
家族や友達だけではなく、知り合ってから間もない人に依頼するのも一つの方法です。

転職活動をしていく上で出会う方は初対面であることが多いので、緊張しやすい方は知り合って間もない方にお願いすると予行演習にもなることでしょう。
過去に勤務していた先の同僚や学生時代の同期などに聞くのもおすすめです。

自己分析と他己分析の結果を照らし合わせる

上記までの過程が完了したところで、自己分析と他己分析の結果を照らし合わせてみましょう。

結果が一致しているところ、異なっている点を把握して分析すると、自分について理解を深められ強みを見つられます。

他己分析をすると、自分では気づいていない本質がわかることがあります。また、自己分析で思い浮かばなかったことは、自己PRや志望動機を考えるうえで役立つ内容もあるため、しっかりと精査してみましょう。

保育士の転職で自己分析を行って自分の強みを見つけよう

保育士として転職する際、自己分析を行うと自分の強みを見つけられたり自分について深く理解できたりするなど、さまざまなメリットがあります。

自分史を作成し、成功や失敗点などを振り返ることによって、面接でアピールするべき点を明確にでき、保育士をしていく上での強みを見つけられることでしょう。

また、自己分析の結果を精査していくと、自分と相性の良い園探しにも役立ちます。

自己分析だけでなく他己分析も一緒に行うと、自分の性格や特徴、強みなどを深堀りできたり、今まで気付かなかった新たな一面を知ることができたりするでしょう。

ツールを使ったり他己分析も取り入れたりしながら、転職活動の成功を目指してくださいね。
   

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