運動会のねらい・目的とは?

保育園の運動会は、子ども達にとっても保護者の方にとっても楽しみにしている行事のひとつ。
では、運動会はどのような目的で開催されているのでしょうか。

運動会を開催する目的は、園の方針や考え方によっても変わりますが、多くの園では、「子ども達が持つ力を発揮しさらに力を伸ばす場」として実施しています。

また、運動会のねらいは、年齢・月齢、発達段階によって様々。
例えば、0~2歳児であれば、「音楽に合わせてのびのびと身体を動かす楽しみを感じること」が大きなねらいになるでしょう。
保護者や保育者と一緒に競技に取り組み「身近な人との信頼関係を深めること」もねらいのひとつです。

3~5歳児の場合、お友達との関わりの大切さを学んだり、成功体験による自信をつけたりすることが大きなねらい。
様々な競技を通して「お友達と協力し合うことの大切さを学ぶ」 「一緒にひとつのことをやり遂げ達成感を味わう」 「かけっこやリレーなどで"できた"という自信を高める」などというねらいがあります。

運動会のテーマの考え方

運動会を開催するうえで大切なのは、全体のテーマを決めること。
テーマを決めることで、プログラムや装飾、衣装なども考えやすくなり、会全体の統一感も生まれます。

また、テーマを考える際は、できるだけ子どもたちにとって身近な内容にすること。
子どもたちに馴染みの薄いテーマでは、意味や意図が理解ができず主体的に取り組みにくくなってしまいます。

オススメのテーマ一例

  • 園やクラスの雰囲気を反映したテーマ(例:元気/仲良し など)
  • 動植物などの自然を反映したテーマ(例:動物園/水族館/お花畑 など)
  • 人気の絵本やアニメなどの世界観を反映したテーマ


中には、4歳児、5歳児のお兄さんお姉さんが話し合ってテーマを決めるという園も。
子ども達と話し合って決められると、みんなの想いを反映した想い入れの強い運動会になりそうですね。

保育士さん必見!年齢別おすすめプログラム

テーマが決まったら、テーマに沿ったプログラムを考えます。
例えば、テーマが「水族館」なら、お魚やクラゲに扮したダンスや海をイメージしたパラバルーンなどもおすすめ。
すべてのプログラムがテーマに沿っていると運動会全体の統一感にもつながります。

ここからは、0~2歳児、3~5歳児に分けて、それぞれの年齢に合ったおすすめプログラムをご紹介します!
「今年はどんな内容にしようかな」「新しいプログラムを取り入れたい」とお考えの保育士さんはぜひご参考にしてみてくださいね。

0~2歳児におすすめのプログラム

0~2歳児の場合、個々の発達スピードによってハイハイ・立つ・歩く・走るなどといった動きが大きく異なります。
そのため、できるだけ多くの子どもが無理をせず楽しく参加できるようなプログラムを意識しましょう。

ハイハイレース

その名の通りハイハイでゴールを目指す競技。
子どもたちは、保護者や保育者の待つゴールを目指してハイハイで進みます。
0歳児なら平らな真っすぐのコース、1歳児、2歳児はマットや段ボールを使って曲線やちょっとした障害物のあるコースにするなど、年齢別に難易度を変えるのもおすすめです。
テーマに沿った衣装や被り物を用意するとよりレースが盛り上がりますよ。

親子競技

子どもを保護者の方が抱っこしたりおんぶしたりしながら走るレースや、保護者の足の上に子どもが乗って歩くペンギン競争、親子ペアになって取り組む借り物競争などの親子競技も、低年齢でも楽しめるプログラムのひとつ。
運動会の雰囲気に圧倒されてしまう子でも、親御さんと一緒なら安心して取り組むことができますよね。
普段、子どもとゆっくり過ごす時間が取れない保護者の方にとっては、親子で触れ合える貴重な時間。
親子双方にとって良い想い出となるでしょう。

まねっこダンス

音楽やリズムに合わせたダンスも運動会の定番プログラム。
特に0~2歳児は、猿やうさぎ、クラゲやイルカなどの動物の動きを真似たダンスにすると、イメージしやすく楽しく取り組めます。
運動会の前から、動物の動きを遊びに取り入れたり学んだりしておくと練習もスムーズに進められますよ。

3~5歳児におすすめのプログラム

3~5歳児は、走る・飛び跳ねるなど、様々な動きができるようになります。
成長に合わせた少し難しい競技にチャレンジすることで、子どもたちの自信にもつながります。
また、お友達と一緒に取り組んだり協力し合ったりする大切さを感じられるプログラムを取り入れることで、達成感を味わえるだけでなく、協調性も育まれるでしょう。

かけっこ、リレー

体力がつきはじめるこの年齢のかけっこやリレーは、大きな成長を感じられるプログラムです。
最近でははっきりと勝敗をつけない園も増えていますが、この頃は競争心が芽生え「勝って嬉しい」「負けて悔しい」という感情が生まれる時期でもあります。
また、かけっこやリレーでは、自分自身だけでなく頑張っているお友達を応援する思いやりの気持ちも育まれます。

3歳児ならかけっこ、4歳児・5歳児は親子リレーやクラス対抗リレーなどを取り入れると、「一緒に頑張ろう!」という仲間意識を持って取り組めるようになりますよ。
中には竹馬を使った競争など、難易度の高い競技を毎年の目玉にしている園もあるようです。

小道具を使ったダンス

3~5歳児になると、単に全員で同じ動きをするだけでなく、ちょっとした小道具を使ったダンスもできるようになります。
例えば、鈴やリボン、ポンポンなど。
一人ひとりがそれぞれの道具を持って、立ったりしゃがんだりジャンプしたりと、様々な動きを取り入れることで迫力あるダンスが完成します。
立ち位置やタイミングを覚えて正確に踊るには時間もかかり大変ですが、本番を迎えたあとはきっと「みんなで一緒にやり切った!」という達成感や喜びに満ちた表情を見せてくれますよ!

パラバルーン

卒園の学年が取り組むメインイベントとして取り入れる園も多いパラバルーンは、音楽やリズムに合わせて大きな布で形を作ったり動かしたりするプログラムです。
仲間と息を合わせることはもちろん、自分自身の動きもしっかりと覚えないといけないため、運動会に向けて毎日のように練習に取り組む園も少なくありません。
練習では「難しい」「覚えられない」と嘆いてしまうこともあるかもしれませんが、「一緒に頑張ろう」と声をかけたり子ども同士で教え合ったりする姿も見られ、成長を感じられるのが醍醐味のひとつ。
大きな布で様々な動きに挑戦する姿は圧巻です。
達成感が大きいだけでなく「できた!」という大きな自信にもつながる、おすすめのプログラムです。

成長やテーマに合わせたプログラムで、想い出に残る運動会を!

保育園の運動会は、子ども達だけでなく保護者や保育者も楽しみにしている一大イベントのひとつ!
参加した全員にとって想い出に残るような運動会にしたいですよね。

そのためにも、運動会全体を印象付けるテーマ設定はとても大切。
子ども達が主体的に取り組めるよう、馴染みがあり誰もが楽しめるようなテーマを意識しましょう。

0~2歳は、「身体を動かすことの楽しさ」や「親子で触れ合う喜び」が感じられるプログラムがおすすめ。
立つ、歩くなどの動きが未発達であっても、思いっきり身体を動かすことで、成長が感じられるはずです。
身体も心も成長段階にある3~5歳児は、年齢に応じた難しい動きに挑戦したり、仲間と一緒に取り組むプログラムにすることで、協調性や達成感、思いやりや自信など様々な感情が育まれ大きな成長につながることでしょう。

ぜひ今回ご紹介させていただいたプログラムも参考にしてみてくださいね!
コロナ対策にも気を配り、子どもも保護者も保育士もみんなが楽しめる運動会を開催しましょう。
   

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