保育士試験の実技試験(造形表現)の概要

保育士試験の実技試験では、造形表現・言語表現・音楽表現の3科目のうち2つを選択して受験します。

造形表現の試験では、指定された保育での一場面を絵画で表現することを求められます。
合格基準は、50点満点のうち6割にあたる「30点」です。
試験時間の45分以内に、構図決定から下書き、色塗りをすべて完成させます。
試験では、場面に合わせて描写や色使いに気を配れるかが見られています。

実技試験は筆記試験の約1カ月後に実施されるので、できるだけ早めに練習を始めることをおすすめします。
次の記事では、保育士試験全体の概要と筆記試験に合格するコツを紹介しているので、あわせてご覧くださいね!

保育士試験の実技試験(造形表現)で絵を描く流れ

保育士試験の実技試験では、具体的にどのように絵画を作成するのでしょうか。
ここでは、実際の造形試験をイメージしやすいように本番の流れを紹介します。

描くものを決める

はじめに、課題の内容を読み、解答用紙に描くものを決めます。
条件として指定されたシチュエーションや人物の動作から、描くアイテムをリストアップしましょう。
漏れがないように、問題文の単語に○をつけてチェックする方法もおすすめです。

下書きをする

描くものを決めたら、背景・人物・アイテムの下書きを行います。
下書きをしておくと、色塗りまでスムーズに描き進めやすくなります。
下書きは、肌色の色鉛筆で線が目立たないように描いたり、消えやすい鉛筆を使うとよいでしょう。

本番描きをする

下書きができたら、茶色の色鉛筆で本番の線を描きます。
大人と子どもを書き分けたり、それぞれの人物の表情や髪型などに変化をつけたりしましょう。

色鉛筆で色を塗る

最後に、色鉛筆で色を塗っていきます。必ず時間内にすべて塗り終えましょう。
発色のよい色鉛筆を使用し、カラフルな色使いや濃淡に気を配ると、豊かに表現できます。

保育士試験の実技試験(造形表現)に合格するポイント

※保育士試験を受験した当社社員の制作例

保育士試験の造形試験では、限られた時間内に絵画を完成させる必要があります。
ここでは、保育士試験ならではの合格のコツを紹介します。

本番の時間配分を考えておく

造形試験の45分は、想像以上にあっという間に終わってしまいます。
そのため、事前に「描くものを決めるのに○分」「下書きに○分」「色塗りに○分」と時間配分を決めておくとスムーズです。
練習では、時間配分を意識しながら本番に近い環境で予行演習をすると安心ですね。

それぞれの場面で描くものを決めておく

造形試験では、それぞれの場面で描くものを決めておきましょう。
次のように、保育園らしい背景やアイテムなどを練習すると、本番でも焦らずに考えられます。

シチュエーションと描くものの例

  • 外遊び…走る姿、体操着、帽子、砂場、スコップ、鉄棒など
  • 教室…座る姿、絵本、窓、壁に飾られた絵など
  • 散歩…歩く姿、手をつなぐ姿、帽子、木、道など


与えられた条件を満たす

造形試験では、試験問題で与えられた条件を必ず満たしましょう。
背景やシチュエーションなどを誤って描いたり風景が正確に伝わらなかったりすると、減点対象になります。
本番では、アイテムの描き漏れがないように問題文を見直せるとよいですね。

いきいきとした表現を心がける

造形試験では、人物や背景のいきいきとした表現も評価対象になります。
立っている・座っているなどの静止画のようなポーズではなく、人物同士のコミュニケーションや表情、躍動感を意識すると動きのある絵に仕上がります。

意識したい表現のポイント

  • 人物同士のコミュニケーション(保育士と子どもが目を合わせているなど)
  • 人物を描き分ける(それぞれの服の色や髪型、表情を変えるなど)
  • 楽しそうな動き(はしゃいでいる、笑顔など)
  • 保育園らしい背景(人物だけでなく場面に合ったアイテムまで描けている)
  • 不自然ではないか(手や足が変な位置から生えていないなど)


色塗りまで完成させる

造形試験では、時間内に人物や背景の色塗りまで完成させる必要があります。
時間内に塗り終わらなかった場合は、減点対象になってしまいます。
線だけでなく、色を塗る時間まで意識しながら最後まで取り組みましょう。

イラスト集の合格作品を参考にする

実技試験で造形表現を選択すると決めたら、保育士試験用のイラスト集を参考にする方法もおすすめです。
イラスト集には、合格作品の例や描く時に注意したい具体的なポイントが掲載されています。
「どのくらいのクオリティの絵画なら合格できるか」がわかるので、完成イメージを描きやすくなるでしょう。

保育士試験におすすめ!絵が上手くなる練習方法

※保育士試験を受験した当社社員の練習例

実技試験に合格するには、本番前の練習が必要です。
ここでは、保育士試験の造形試験に役立つ練習方法とポイントを解説します。

人物を描くことに慣れる

※保育士試験を受験した当社社員の練習例

造形試験では、大人(保育士さん)1人と3人の子どもを描く課題が一般的とされています。
人物の全身を描くことになれていない人は、さまざまなポーズの棒人間を練習し、少しずつ肉をつけていくと人間の動きを表現できるようになります。
また、大人と子どもを描き分ける時は、体の等身の違いや顔のパーツのバランスを意識しながら練習してみましょう。

保育園にふさわしいアイテムを練習する

本番でスムーズに背景を描くために、保育園で使うおもちゃやアイテムを描けるように練習しましょう。
事前にさまざまなアイテムを描いた経験があると、本番でもスムーズに取り組みやすくなります。
また、できるだけ簡単に描けるように工夫すると、時間短縮にもつながります。

トレーシングペーパーの上から写す

下書きの練習では、最初はトレーシングペーパーの上からイラスト集などのお手本を模写する方法がおすすめです。
繰り返し写して慣れてくると、お手本なしでも描きやすくなります。
苦手なポーズやアイテムを写し描きで集中的に特訓するのも効率的です。

繰り返し練習する

普段絵を描く機会が少ない人は、すぐに上手になるのは難しいものです。
絵は、何度も繰り返し練習するうちに少しずつ上達します。
小さなノートとペンを持ち歩けば電車の中や外出先でも練習できるので、試してみてくださいね。

時間を計りながら練習する

絵が描けるようになってきたら、本番と同じように時間を意識しながら練習してみましょう。
予行演習をしておくと、本番でも焦らずに課題に取り組めます。
練習では、時間に間に合わなかったからといって落ち込むのではなく、「どの部分に時間がかかりやすいか」を発見して改善につなげられるとよいですね。

好きなものを描く

絵の練習の息抜きとして、自分が好きなものにチャレンジするのもよいでしょう。
好きなキャラクターやアイテムなどを楽しみながら描くと、モチベーションがアップするはずですよ。

絵が苦手な人へのアドバイス【本番までに間に合う!】

「保育士試験の実技試験は造形にしよう!」と決めたものの、絵に自信がなく、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで、絵を描くことに苦手意識を持っている人がスムーズに描けるようになるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!

人物を大きく描く

絵を描くことに自信がない時は、人物のサイズを大きめに描く方法があります。
人物が占める割合が大きくなると、自然に画面を埋めることができます。
ただし、課題の背景やアイテムが描き漏れると減点対象になってしまうため、人物以外を描く余白もしっかり残しておきましょう。

簡単に描ける方法を取り入れる

絵を描くことに苦手意識がある人は、なるべく簡単に描ける方法を工夫してみましょう。
例えば、ピアノであれば正面から見た構図を選ぶと、大きな四角だけで表現できます。
また、人物同士を前と後で重ねると、苦手なパーツを省ける場合も。描きやすいだけでなく、時間短縮にもつながりますね。

友人や家族の絵をお手本にする

絵が得意ではない人は、いきなりイラスト集のように完璧な絵を描くのは難しいかもしれません。
そこで、身近な友人や家族の絵をお手本にすると、描きやすくなることがあります。
ゆるかわ系などのできるだけシンプルなイラストをマネするのがおすすめです。

保育士試験の実技試験(造形)は事前練習がカギになる!

保育士試験の実技試験(造形)では、制限時間の45分以内に指定された課題に沿った絵画を描きます。

造形の実技試験に合格するには、事前の練習と注意すべきポイントをしっかり押さえることが大切です。

課題に合うアイテムや人物の書き分けを意識し、自分に合った練習方法を取り入れながら、保育士試験合格を目指しましょう!
   

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