読書週間とは?

読書週間とは、毎年10月27日から11月9日までの2週間にわたり、学校や書店などで本との出会いや読書習慣の促進を目的としたイベントが行われる期間のことです。
読書週間の由来は、1947年の戦後復興期に文化の再建や教育の重要性を広めるために、日本出版協会(現:日本出版クラブ)によって創設されたことから始まりました。

また、秋の読書週間とは別に、春には「子ども読書週間」があります。
「子ども読書の日」「世界本の日」である4月23日から5月12日に行われる読書の推進期間です。
秋の読書週間とあわせて、春の子ども読書週間にも本に親しむ遊びやイベントを取り入れるとよいでしょう。

保育園で読書週間を取り入れるねらい

保育園では、遊びやイベントの中に読書を取り入れると、子どもたちの心身の成長によい影響をもたらします。
ここでは、保育園で読書週間を取り入れる際に意識したいねらいをみていきましょう。

本に親しむ

読書週間を通じて、子どもたちが本に触れるきっかけをつくることができます。
近年では乳幼児期からインターネット検索や動画に親しむ子どもが増えていますが、読書には言語能力の向上やリラクゼーション効果などの数多くのメリットがあります。
小さい頃から本に親しむことは、学習面だけでなく、心の成長にもプラスに働くでしょう。

好奇心を刺激する

本を通じてさまざまな世界に触れる中で、子どもたちの好奇心を刺激することができます。
読書で得た感動や知識をきっかけに「知りたい!」「やってみたい!」と行動したことは、子どもたちの自信や自己肯定感の向上につながるでしょう。

想像力を育む

本の文章や挿絵から風景や音を想像すると、子どもたちの想像力が育まれます。
物語を読みながら「自分だったらどうするだろう?」と考えたり、登場人物の行動や感情への共感から他者の気持ちを理解しようとする力が身に付き、お友達や家族とのコミュニケーションに役立つでしょう。

集中力を高める

本の内容に没頭すると集中力が養われ、保育園を巣立った後の学習や成長によい影響を与えます。
初めて本に触れる子どもたちが多い保育園では、それぞれの発達や興味関心に合わせて、読書に夢中なる体験をさせてあげたいですね。

保育園の子どもたちに本に興味をもってもらうには?

保育園に通う子どもたちの中には、生まれて初めて本に触れる子も多いはず。
続いて、子どもたちに読書に興味を持ってもらうきっかけ作りや保育での取り入れ方を紹介します。

読み聞かせ会を開く

子どもたちが本に親しむためのきっかけ作りには、保育士さんが読書週間などを活用しながら、定期的に読み聞かせを行う方法があります。
読み聞かせでは声の抑揚や表情の変化を意識すると、子どもたちが物語の世界に引き込まれるでしょう。
次の記事では、子どもたちの前で物語を語る際のポイントを紹介しているので、ぜひご覧ください!

子どもが読みやすい絵本を選ぶ

読み聞かせの本や保育園の本棚に設置する絵本には、子どもたちが興味を示す本を選びましょう。
年齢に合わせた文字が少ない絵本や、子どもにとって身近な出来事やキャラクターや動物が登場する物語、五感を刺激する体験型のしかけ絵本などがおすすめです。
子どもたちが思わず手に取りたくなるような、ドキドキワクワクする本を探してみましょう。

ジャンルにこだわらない

保育園では、子どもたちに自ら好きな本を選んでもらう機会も作るとよいでしょう。
好きなものや興味があるものは一人ひとり異なるもの。バラエティ豊かな本を揃えることで子どもたちの好奇心が刺激され、新しい世界に出会えます。

好きな本を紹介し合う

子どもたちに、自分のお気に入りの絵本をお友達や保育士さんに紹介してもらうのもおすすめです。
お互いの感想を伝え合うと「同じ本を読んでも、人によって感じ方が違うんだ!」と気付きを得たり、「面白そう!読んでみたい!」と新しいことに興味が湧いたりして、読書の楽しみ方がさらに広がるでしょう。

物語にまつわる絵を描く

読書週間には、好きな本や読んだ物語にまつわる絵を描いてみましょう。
お気に入りのキャラクターや印象に残ったシーンを自分で表現しようとすると、創造力が磨かれます。
保育士さんからも子どもたちに「どんなお話なのかな?」「この人はなにをしているの?」とコミュニケーションをとると、子どもたちのアイデアがさらに膨らむでしょう。

図書館に行く

保育園の中には、子どもたちとともに近隣の図書館を見学する園もあるようです。
たくさんの本が並ぶ光景に、子どもたちは驚くはず。自分が好きな本を選ぶ楽しさを体感することもできます。
さらに、保育だよりなどで保護者様向けに図書館の読み聞かせ会やイベントの情報を発信すると、親子のコミュニケーションが広がるきっかけになるでしょう。

保育士さんから子どもたちへの声かけのポイント

保育士さんから読書を楽しむ子どもたちに積極的に声をかけると、コミュニケーションから考えが広がったり自信や成長につながったりします。
続いて、読書週間に取り入れたい、保育士さんから子どもたちへの声かけのコツを紹介します。

子どもたちのリクエストを取り入れる

保育園の読み聞かせ会や本棚に設置する本を選ぶ時は、子どもたちの意見を取り入れてみましょう。
いくつかのお話の中から子どもたちに「今日はどの絵本が読みたいかな?」とアンケートをとったり、「みんなはどのお話が好きだったかな?」と感想を聞いたりすると一体感が生まれ、全員が楽しく参加できます。

子どもたちの感想を深掘りする

本を読んでいる子どもたちに、保育士さんが「どんなところが面白かったところかな?」「○○(登場人物)はどうなるんだろう?」と感想や展開を深掘りすると、想像力や好奇心を引き出せます。
さらに、「○○ちゃんは本が好きなんだね」「最後まで読んだんだね、すごいね!」とポジティブな声かけを意識すると、子どもたちの自信につながるでしょう。

本を使って一緒に調べる

保育園では、日常会話で子どもたちの素朴な疑問に答える時に本を活用するのもおすすめです。
「先生と一緒に本で調べてみよう!」「見て、写真が載っているよ!」と本を開けば、子どもたちも悩みを解決できたり新しい知識が増えたりする楽しさを感じられます。

保育園の読書週間に!子どもの年齢別おすすめ絵本15選

保育園の読書週間では、子どもたちの年齢や発達に合わせた読みやすい本を用意することが大切です。
最後に、子どもたちの年齢ごとの読書の特徴と具体的なおすすめ絵本を紹介します!

0歳児~1歳児におすすめの絵本

視覚的な刺激や音に反応しやすい0歳児~1歳児には、文字が少なく、リズミカルな言葉を楽しめる絵本がおすすめです。
乳児さんの場合は、読み聞かせを通して安心感を得ることも大切な目的のひとつ。
カラフルな絵本やスキンシップ絵本などの五感を刺激するものを意識してみましょう。

0歳児~1歳児におすすめの絵本の例

  • もこ もこもこ(作:谷川 俊太郎 出版社:文研出版)
  • ぎゅう ぎゅう ぎゅう(作:おーなり 由子 出版社:講談社)
  • いないいないばあ(文:松谷 みよ子 出版社:童心社)
  • だるまさんが(作:かがくい ひろし 出版社:ブロンズ新社)
  • うたえほん(絵:つちだ よしはる 出版社:グランまま社)


2歳児~3歳児におすすめの絵本

話せる言葉の数が増えてきて、物語や登場人物に興味を持つようになる2歳児~3歳児には、シンプルなストーリーの絵本から読書に親しんでもらいましょう。
子どもたちの身のまわりの出来事や乗り物、動物などの絵本を選ぶと興味を引きやすいはず。
お気に入りの絵本が見つかったら、何度も繰り返し読んであげると喜ばれるでしょう。

2歳児~3歳児におすすめの絵本の例

  • ぐりとぐら(作:中川 李枝子 出版社:福音館書店)
  • ねないこ だれだ(作・絵:せな けいこ 出版社:福音館書店
  • せんろはつづく(文:竹下 文子 出版社:金の星社)
  • ぞうちゃんの いやいや(作:三浦 太郎 出版社:講談社)
  • どうぞのいす(作:香山 美子 出版社:ひさかたチャイルド)


4歳児~5歳児におすすめの絵本

心と体が急速に成長する4歳児~5歳児には、さまざまな気持ちに出会える本や幅広いジャンルの本がおすすめです。
より複雑なストーリーや登場人物の心情を理解できるようになるため、想像力が広がるファンタジーや冒険の物語、共感する力を育む友情や家族の物語などが喜ばれます。
それぞれの興味関心に合わせて、たくさんの本に出会えるとよいですね。

4歳児~5歳児におすすめの絵本の例

  • こんとあき(作:林 明子 出版社:福音館書店)
  • おしいれのぼうけん(作:ふるた たるひ・たばた せいいち 出版社:童心社)
  • うんちしたのはだれよ!(作:ヴェルナー・ホルツヴァルト 出版社:偕成社)
  • ふたりはともだち(作:アーノルド・ローベル 出版社:文化出版局)
  • 地球をほる(作:川端 誠 出版社:BL出版)


保育園の読書週間は子どもたちと一緒に本を楽しもう!

保育園の読書週間は、子どもたちが本に親しむチャンスです。
幼少期のさまざまな本との出会いが、子どもたちの健やかな成長と明るい未来につながります。

子どもたちには無理に読書を勧めるのではなく、読み聞かせや前向きな声かけから興味を引き出していきましょう。
ぜひ、保育士さんも子どもたちと一緒に本を楽しんでくださいね!

次の記事では、秋の保育に役立つ遊びや運動会のアイデアを紹介しているので、あわせてご覧ください!
   

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