保育園での節分のねらいとは

保育園で節分を行うねらいは、子どもたちに伝統行事のひとつである節分の由来や健康への願いを伝えながら、「遊びを通して節分に親しんでもらうこと」です。

また、遊びの中でお友だちや保育士さんとコミュニケーションをとりながら、「みんなで節分行事を楽しむこと」も大きな目的のひとつとなっています。

豆まきの由来と当日の流れ

節分といえば、真っ先に思い浮かぶのが豆まきではないでしょうか。
まずは、豆まきの由来や保育園で豆まきを行う方法、子どもたちへの伝え方を紹介します。

豆まきの由来

豆まきは、「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、鬼に豆をぶつけて災いや病気を追い払う風習です。
冬と春の季節の変わり目である立春の前日(2月3日)に豆をまくと、災いを呼ぶ鬼を外に追い出し、幸運を呼ぶ福の神を招き入れられると考えられています。

日本での豆まきは、飛鳥時代に中国から伝わった「追儺(ついな)」という行事がもとになっており、江戸時代には節分に豆まきを行う風習が定着していたといわれています。

豆まき当日の流れ

ここでは、保育園での豆まきの基本的な流れを紹介します。
「大豆の代わりにボールを投げる」「大豆を食べるのは給食の時間」など、細部は園の方針やルールに合わせて調整しましょう。
また、アレルギー児に配慮して豆を食べない園もあります。
1 鬼役の保育士さんを決める
2 豆入れと豆を用意する
3 「鬼は外、福は内!」と言いながら豆をまく
4 元気に過ごせるように祈りながら、年齢より1つ多い数の豆を食べる

子どもたちへの声かけ

子どもたちの中には、はじめて節分に触れる子どももいます。
節分の意味や目的について、保育士さんからわかりやすく説明してあげることで、より知識の理解が深まります。
子どもたちに話す時の具体例を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

具体的な声かけ例

  • 「節分のはじまりは、新しい年を迎える前に悪い鬼を追い払うために豆をまいたことなんだよ。」
  • 「豆まきをすると、悪い鬼を追い払って、幸せを呼ぶ福の神を招き入れることができるといわれているよ。」
  • 「節分の日に、年の数より1つ多い数の豆を食べると、体が丈夫になって元気に過ごせるといわれているんだよ。」


豆まきを安全に行うための注意点

続いて、豆まきを行う際に注意したいポイントを解説します。
子どもたちの安全に配慮しながら、みんなで豆まきを楽しみましょう。
※アルファコーポレーションの園では、アレルギーや誤飲に配慮し、「豆」で豆まきは行っておりません。

豆の誤飲に要注意

乳幼児の場合、豆を気管に詰まらせたり、誤って鼻に入れたりしてしまうケースがあります。
保育園で安全に豆まきを行うためには、「保育士さんが目を配れる範囲の少人数で豆まきをする」「豆を食べる時はよく噛んでから飲み込むように伝える」などの対策を行いましょう。
また、床や地面に落ちた豆を口に入れないように注意を呼びかけることも大切です。

大豆アレルギーへの配慮

保育園で大豆を扱う時は、事前に子どもたちのアレルギーの有無を確認しましょう。
大豆アレルギーを持っている場合、豆を口に入れなくても、豆に触ったり殻の粉を吸い込むだけでアレルギー反応が起き、喘息や蕁麻疹などの症状があらわれることもあります。
大豆アレルギーを持った園児がいる場合は、「豆まきでは大豆の代わりにボールを使う」「給食では大豆の代わりにボーロなどを用意する」などの配慮を行いましょう。

子どもたちを怖がらせすぎないように

小さい子どもの場合、保育士さんが扮した鬼であっても怖くて泣き出してしまうことがあります。
子どもたちが鬼に不安な表情を見せる場合は、無理に鬼を登場させずに「自分の心に住んでいる鬼(=なまけてしまうクセや、いじわるをしてしまう気持ちなど)を退治しよう」と設定して豆まきを行う方法もあります。

節分を盛り上げる製作遊び

続いて、節分に合わせて製作したい、鬼や豆まきにまつわるアイテムを紹介します。
自分たちで節分アイテムを作ると愛着が湧き、記憶に残るイベントになるでしょう。

画用紙で作る「鬼のお面」

画用紙を使って、鬼のお面を作ってみましょう。
子どもたちと一緒に思い思いの色を塗れば、世界にひとつだけの個性豊かなお面が出来上がります。
作ったお面は、保育園での節分イベントやおうちでの豆まきにも活用できますね。

毛糸と画用紙で作る「鬼のツノ」

好きな色の毛糸を使って、もじゃもじゃの鬼の髪の毛を、画用紙でツノを作ります。
作ったツノを節分イベントでかぶれば、会の雰囲気が一気に盛り上がること間違いなしです。

折り紙で作る「豆入れ」

折り紙で箱を作り、豆まきで使う豆入れを作ってみましょう。
保育士さんが子どもたちに作り方を見せるお手本として、新聞紙や模造紙などの大きな紙を使うとわかりやすくなります。
自分たちで作ったオリジナルの豆入れを使えば、豆まきをより楽しめますね。

節分遊びにおすすめのゲーム

続いて、保育園での節分イベントにぴったりのゲームを紹介します。
子どもたちの年齢に合わせて、ゲームの難易度やルールを工夫するのがポイントです。

おにおにバスケット

「おにおにバスケット」は、子どもたちが大好きなゲームである「フルーツバスケット」を節分バージョンにアレンジした遊びです。
節分バージョンでは、グループ分けをする際に、フルーツの代わりに赤鬼・青鬼・黄鬼などで分けるとよいでしょう。

鬼の的当て

「鬼の的当て」は、子どもたちが鬼の的にボールを当てる遊びです。
子どもたちの年齢に合わせてルールを変え、乳児は的に当てるのが目標、3歳以上の子どもたちには点数を競うなどの工夫をすると、ゲームがより白熱します。

鬼の玉入れ

「鬼の玉入れ」は、鬼役に扮した保育士さんがカゴを背負い、子どもたちがボール入れをする遊びです。
子どもたちの年齢によって、カゴの高さや保育士さんの逃げるスピードに変化をつけて、難易度を調節できるとよいですね。

節分行事にぴったりの出し物

続いて、保育園での節分イベントにぴったりの出し物を紹介します。
読み聞かせや劇は、子どもたちへの節分への導入にも活用できます。
手遊びの振り付けは、YouTubeなどの動画サイトもチェックしてみてくださいね。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせは、子どもたちへの節分の導入にもおすすめです。
ここでは、年齢の小さい子どもたちにもわかりやすく、鬼や豆まきに親しめる絵本を紹介します。

おすすめの節分絵本

  • あっぷっぷのぷ~(作:あいはら ひろゆき 出版社:サニーサイドブックス)
  • まめのかぞえうた(作:西内 ミナミ 出版社:鈴木出版)
  • せつぶんだまめまきだ(作:桜井 信夫 出版社:教育劇画)


劇「鬼から先生を助けよう!」

「先生が鬼にさらわれた!」という設定で、保育士さんたちがヒーローショーのような劇を行えば、子どもたちも盛り上がること間違いなしです。
劇の中でかくれんぼや応援の要素を取り入れると、子どもたちも一緒に参加できる体験型のショーになりますよ。

節分にまつわるクイズ

クイズでは、節分の日にちや由来などの豆知識を出題します。
クイズ形式にすることで子どもたちの好奇心を刺激し、節分の知識を身に付けてもらえるでしょう。​
〇✕クイズや2択クイズを取り入れると、小さな子どもたちも理解しやすいですね。

手遊び歌「豆まき」

手遊び歌「豆まき」は、「鬼は外、福は内」の歌い出しからはじまる節分ソングです。
歌詞とジェスチャーから、豆まきの掛け声や具体的な流れも学べます。
ゆっくりとしたテンポで、振り付けもシンプルなので、年齢の小さな子どもたちにもおすすめです。

手遊び歌「鬼のパンツ」

子ども向け番組でもおなじみの節分ソング「鬼のパンツ」は、イタリアの民謡「フニクリ・フニクラ」に替え歌をつけた手遊び歌です。
アップテンポの曲と、力強い鬼を表現する振り付けは、踊っているとワクワクした気持ちになれるでしょう。

保育園での節分遊びは、安全に配慮しながら楽しもう

保育園の節分行事では、豆まきや遊びを楽しみながら、子どもたちに伝統文化に親しんでもらいましょう。

大豆を使って豆まきを行う際は、保育士さんも子どもたちのアレルギーの有無や誤飲などに注意しながら、安全に進められるよう必ず配慮しましょう。
その上で、子どもたちの年齢に合わせて、遊びに工夫を凝らしながら、みんなで節分イベントを盛り上げましょう!

また、次の記事では保育園で行われている代表的な年間行事を紹介しています。
今年1年の振り返りや来年の計画の参考に、ぜひご覧くださいね。
   

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