保育園でチーム遊びをする目的

チーム遊びとは、2チーム以上に分かれて遊ぶ集団遊びのことです。
チーム遊びをする目的には以下のようなものがあります。

チーム遊びの目的

  • 仲間に興味・関心が持てるようになる
  • 仲間と協力し合うことの大切さを学ぶ
  • 仲間を思いやる気持ちを育む
  • ルールを守ることの大切さを学ぶ
  • 遊びの中で自分の役割を見つけられるようになる
  • 目標達成に喜びを感じられるようになる

また、身体を動かすチーム遊びを取り入れることで、子どもの身体能力の向上も期待できます。

身体を使ったチーム遊びの方法

今回は、チーム遊びの具体的な方法を3つに分けて紹介します。

1.場所の確保をする

身体を動かした際に子どもたち同士がぶつからないよう、机や椅子を移動し、場所を確保します。また、周囲に棚など子どもたちがぶつかって怪我をするようなものはないかに配慮して場所を選びましょう。
チーム遊びに向いている場所は、園庭や公園、保育室、ホールなどがあります。人数や天候などに配慮して場所を選定すると良いでしょう。

2.道具の準備をする

チーム遊びに必要な道具を準備します。事前に製作が必要な道具があれば、保育士だけでなく子どもたちにも手伝ってもらうこともおすすめです。子どもたちの年齢にもよりますが、頼りにされると子どもも嬉しいものです。

子どもたちも道具の製作を楽しみながら、チーム遊びへの期待を膨らませられるでしょう。

▼「創作遊び」については下の記事をチェック!

3.チーム分けをする

チーム分けの方法は以下のようなものがあります。

カードやくじを使った方法

数字や動物、果物などの絵が書かれたカードを引いてもらい、同じ数字や動物、果物の人同士でチームを作ります。また、くじの場合は割り箸の先に赤や青、緑などの色をつけて子どもたちに引いてもらい、同じ色同士でチームを作ります。チーム数に応じて色の増減を行うと良いですね。

動物やキャラクターを使った方法

動物やキャラクターが描かれた紙を子どもたちに1枚ずつ配布します。同じ動物やキャラクターが描かれた人を探してチームを作ることもできます。


身体を使ったチーム遊びの内容|室内編

ここからは身体を使ったチーム遊びの具体的な内容を紹介します。まずは室内編です。

かみなりゲーム

準備するもの

お題を描いた紙

遊び方(2歳児以下向け)

①子どもたちが仰向けに寝た状態からスタート。保育士は「ゴロゴロ…」とかみなりの音を真似します。

②保育士が「ゴロゴロ…ドカン」と言ったら、かみなりが落ちた合図です。子どもたちはおへそを取られないようにうつ伏せになり、お腹を隠します。

③保育士はかみなり様になりきって、おへそを隠せていない子どもを捕まえます。

④うつ伏せになる前に保育士に捕まったら負け、捕まらずにうつ伏せになれたら勝ちです。

遊び方(3歳児以上向け)

①子どもたちが仰向けに寝た状態からスタート。保育士は「か、か、」と単語を言いかけます。

②保育士が「かみなり」と言ったら、かみなりが落ちた合図です。子どもたちはおへそを取られないように急いでうつ伏せになり、お腹を隠します。

③慣れてきたら、同じように保育士が「か、か、」と単語を言いかけます。

④保育士が「かみのけ」や「からす」など、「かみなり」以外の単語を言ったときは、子どもたちは仰向けのまま動かないようにします。

⑤保育士の言葉を聞いて「かみなり」と言われた時だけ、おへそを隠せたら勝ちです。


ポイント
寝転がって身体を動かすため、子どもたちが広がれる場所を確保し、ぶつからないよう椅子やテーブルなどは移動させておきましょう。2歳児以下向けの遊び方では「ゴロゴロ…」と言っている間に子どもたちの周りを歩き、いつ捕まるか分からない雰囲気を作ると楽しめます。
3歳児以上向けの遊び方では「かみのけ」や「からす」など似た言葉を使ってフェイントをかけると、スリルが増して楽しく遊べるでしょう。

ジェスチャーゲーム

準備するもの

なし

遊び方

①子どもたちをグループに分けます。(1チーム5~6人程度)チームごとに1列に並んでもらうようにしましょう。

②先頭の子ども以外は後ろを向きます。

③先頭の子どもにお題が描かれた紙を見せましょう。先頭の子ども全員がお題を理解したらスタートです。

④先頭の子どもは、2番目の子の肩を叩いてお題をジェスチャーで伝えます。2番目の子が理解できたら3番目、4番目と続いていくゲームです。

⑤最後の子どもがお題を分かったら、保育士のところまで来て正解を伝えてもらいましょう。一番早く正解したチームの勝ちです。


ポイント
子どもたちには声は出さずにジェスチャーだけで伝えることを事前にしっかりと伝えておきましょう。​

信号ゲーム

準備するもの

信号(赤・黄色・青)の絵が描かれた紙

遊び方

①子どもたちは、スタートラインに横一列に並びます。保育士はゴールラインに立ちます。

②保育士が「青!」と言って絵を見せたら、子どもたちは一歩前にジャンプします。

③保育士が「黄色!」と言って絵を見せたら、子どもたちは一歩後ろにジャンプします。

④保育士が「赤!」と言って絵を見せたら、子どもたちは前後に動かずその場で気をつけをします。動きを間違えたら、その子はスタートラインに戻ります。

⑤保育士の指示に合わせて間違えないように進み、ゴールラインに着いたら成功です。


ポイント
実際に信号の絵を見せることで、子どもたちは信号の色を確認して歩くことの大切さを身に付けられます。

身体を使ったチーム遊びの内容|屋外編

屋外編のチーム遊びを3つ紹介します。

ボール運び

準備するもの

柔らかく大きめのボール(チーム分けをした数のボールが必要です)

遊び方

①子どもたちは1列に並びます。

②先頭の子にボールを持ってもらいましょう。

③保育士の「よーい、スタート!」の合図で、ボールが自分の頭の上を通るようにして後ろの子に渡していく遊びです。

④一番後ろの子まで渡せたら成功となります。チーム対抗で速さを競っても面白いです。


ポイント
頭の上だけでなく、股の下をくぐるようにしても楽しく遊べますよ。選ぶボールは子どもたちの身体に当たっても痛くないよう、柔らかいものがおすすめです。

けいどろ

準備するもの

紅白帽子(警察と泥棒を分けるため)

遊び方

①「警察」チームと「泥棒」チームに分かれましょう。「泥棒」チームが捕まったときに入る牢屋の場所を地面に図を書いて決める必要があります。

②「警察」が10秒数えている間に「泥棒」は逃げましょう。

③10秒経ったら「警察」は「泥棒」を追いかけ、タッチします。

④「泥棒」は捕まったら、牢屋の中に入りましょう。

⑤牢屋にいる「泥棒」は、まだ捕まっていない「泥棒」にタッチしてもらうと復活できます。そしてまた逃げられます。

⑥「警察」が「泥棒」を時間内に全員捕まえられたら勝ちです。


ポイント
逃げる範囲が広くなりすぎると、子どもたちが疲れてしまう上に、保育士も子どもたちに目が届かなくなります。そのため、逃げる範囲や牢屋の大きさを事前に決めておきましょう。
また、捕まった「泥棒」はタッチをしたら逃げられるため、「泥棒」全員を捕まえるまで遊び続けていると、子どもたちが疲れてしまいます。そのため、事前に制限時間(5~10分程度)を設け、逃げ切った「泥棒」が多ければ「泥棒」が勝ち、牢屋にいる「泥棒」が多ければ「警察」の勝ちなどルールを変えてみると良いかもしれません。

役割を交代してからゲームを再び始めてみるのもおもしろいですよ。子どもたちも両方の立場を経験でき、さまざまな作戦を考える経験となります。

しっぽ取りゲーム

準備するもの

しっぽになるもの(タオル、縄跳び、ロープなど)

遊び方

①保育士が遊ぶ範囲を事前に決めてきます。

②ズボンのお尻側に、1人1本しっぽになるものを入れましょう。ズボンからしっぽが垂れるようにします。

③遊ぶ範囲の中で、周りの子どもと間隔を開けて立ちます。

④保育士の「よーいどん」の合図で、しっぽを取るため周りの子どもたちを追いかけます。

⑤自分のしっぽが他の子どもに取られたら、遊ぶ範囲から出て待ちます。保育士の「おわり」の合図で終了し、しっぽを一番たくさん持っていた子が勝ちです。


ポイント
しっぽを取られたくないという想いから、しっぽを全部ズボンの中に入れてしまう子どもたちもいるかもしれません。事前に保育士がしっぽの片側は必ずズボンの外に出すと伝えておきましょう。ゲームに集中しすぎて、ぶつかったり、強い力でしっぽを引っ張ったりする子どもたちもいるかもしれません。そのためにも、「お友だちを倒したり、引っ張ったりしないようにしよう」と事前に伝えておく必要があります。

また、低年齢の子どもたちでは逃げながら相手のしっぽを取ることが難しい場合もあるので、保育士が鬼となり、しっぽを取る役目を担い、子どもたちを追いかける遊びも楽しいかもしれません。その場合、子どもたちの体力が消耗しないように制限時間(5~10分程度)を決めて行うと良いでしょう。

まとめ

保育園で盛り上がる身体を使ったチーム遊びは、まだまだたくさんあります。保育園の特徴や担当する子どもたちの年齢によって、ルールや道具をアレンジしてみるのも良いでしょう。チーム遊びを通して、ルールを守ることの大切さや仲間と遊ぶことの楽しさを学び、子どもたちは成長していきます。ぜひ今回の記事を参考に、バリエーション豊富なチーム遊びを行ってみてください。

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