お盆の由来とは?

お盆は、一年に一度ご先祖様の魂がこの世に帰ってくる期間といわれており、日本では夏の伝統行事として親しまれています。

お盆の正式名称「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は仏教行事がもとになっており、7世紀ごろに中国から日本に伝わったとされています。

盂蘭盆会は、お釈迦様の弟子の一人・目連尊者(もくれんそんじゃ)が亡き母親が地獄に落ちていることを知り、7月15日にその魂を供養することで母を救うことができたという言い伝えが由来しているものです。

日本には古来よりご先祖様を大切にする習慣があったことから、日本独自の習慣と中国から伝わった仏教行事が融合して、ご先祖様をお迎えして感謝を伝えるお盆の文化が生まれたといわれています。

地域や宗派によって違いはありますが、お盆期間は毎年8月中旬が一般的とされており、夏休みに入る企業や学校もあります。

保育園でお盆を取り入れるねらい

保育園でのお盆期間は、子どもたちの家族やご先祖様とのつながりを感じられるとよいですね。
子どもたちの家庭の中には、ご両親のふるさとに帰省する家もあるかもしれません。
お父さんやお母さんはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃん、おじさんやおばさんなど、さまざまな親戚の存在を知り、自分が守られていることを知るきっかけになるでしょう。

また、8月は全国的に気温が高くなるため、熱中症予防のために室内遊びが増える時期でもあります。
夏らしさを感じられる遊びを取り入れて、子どもたちと一緒に季節感を楽しみましょう。

保育園でお盆を取り入れる時のポイント

続いて、保育園でお盆の行事や習慣を取り入れる時に気を付けたいことを紹介します。
各家庭の事情に配慮しながら、子どもたちにわかりやすく伝えることが大切です。

子どもにわかりやすい言葉で伝える

お盆について説明する時は、親戚との関係や生と死について、子どもが知っている言葉を使ってわかりやすく伝えましょう。
子どもたちからの質問や不安にも、やさしく答えられるとよいですね。
次の例を参考にしながら、表現を工夫してみてくださいね。

子どもたちへの声かけ例

  • 「おばあちゃんは、○○ちゃんのママのママなんだよ。」
  • 「お父さんのお母さん、そのまたお母さん、たくさんのご先祖様のおかげでみんなが生きているんだよ。」
  • 「おじいちゃんは亡くなっても、○○くんのことを見守ってくれているよ。」


各家庭の宗教に配慮する

お盆は仏教行事をもとにした風習ですが、保育園にはキリスト教やイスラム教などのさまざまな宗教を信仰する家庭の子どもたちがいます。
亡くなった人を想いご先祖様を供養する気持ちは多くの宗教に共通しているので、保育園でも取り入れやすいでしょう。
ただし、お祈りの方法やお供え物は宗教や宗派ごとに異なるため、保育園では園の方針に合わせた対応を行いましょう。

地域ならではのお祭りを取り入れる

地域に夏に行われる独自のお祭りがあるなら、保育に取り入れる方法もあります。
たとえば、山車(だし)や踊り、音楽などは遊びや製作に活用できるでしょう。
地元ならではの伝統文化の理解や家族とのコミュニケーションにもつながりますね。

保育園でのお盆の過ごし方と遊びのアイデア

ここでは、保育園でのお盆の過ごし方のアイデアを紹介します。
室内遊びには、子どもたちが楽しめる夏らしい遊びや習慣を取り入れてみましょう。

暑中見舞いを交換する

日本には、遠く離れた場所に住む親族やお世話になった方におたよりを送る暑中見舞いの習慣があります。
保育園では、オリジナルの暑中見舞いを作り、クラスのお友達や保育士さんと交換しても楽しいですね。

夏にちなんだ絵本を読み聞かせる

保育園の室内遊びでは、夏らしさを感じられる絵本の読み聞かせがぴったりです。
次の例では、夏ならではの景色を楽しめる本から、家族を絆を感じられる本、平和の尊さに触れられる本を紹介していますので、絵本選びの参考にしてみてくださいね。

夏にぴったりの絵本

  • はなび ドーン(作:カズコ・G・ストーン 出版社:童心社)
  • かぶとむしのぶんちゃん(作:高家 博成、仲川 道子 出版社:童心社)
  • だいじょうぶだいじょうぶ(作・絵:いとう ひろし 出版社:講談社)
  • おへそのあな(作:長谷川 義史 出版社:BL出版)
  • へいわってすてきだね(詩:安里 有生 画:長谷川 義史 出版社:ブロンズ新社)
  • おひさまとおつきさまのけんか(作と絵:せな けいこ 出版社:ポプラ社)


夏にぴったりの手遊び歌を歌う

屋外で遊ぶことが難しい夏場の保育には、全身を使って楽しめる手遊び歌がおすすめです。
ベー!と舌を出す振り付けが可愛らしい「ガリガリかき氷」や、海の中には○○がいると歌詞をアレンジしながら楽しめる「水中メガネ」など、子どもたちに人気の歌がたくさんあります。
YouTubeなどの振り付けを参考にしながら、ぜひ取り入れてみましょう!

夏にぴったりの手遊び歌

  • ガリガリかき氷
  • 三ツ矢サイダー
  • 水中メガネ
  • さかながはねて
  • ミックスジュース


スイカ割りをする

夏らしさを感じられる遊びといえば、スイカ割りも大人気です。
スイカ割りは、一人が目隠しをした状態で、みんなの声を頼りにスイカを探し当てるゲームです。
保育園では、紙で作ったすいかや棒を使えば子どもたちも安全に楽しめますね。

水遊びをする

夏の保育園では、水を使った遊びも子どもたちと一緒に盛り上がれるでしょう。
子どもたちに水に親しんでもらうとともに、冷たい水の感触は心のリラックスさせる効果が期待できます。
次の記事では保育園の室内でできる水遊びを紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

お盆にぴったりの夏らしい製作遊び

続いて、8月の保育に取り入れたい製作のアイデアを紹介します。
子どもたちと一緒に、夏を感じられるアイテムを作って遊びましょう。

スタンプで暑中見舞い作り

保育園では、子どもたちと一緒にオリジナルの暑中見舞いを作ってみましょう。
手形や足形、スタンプを使った製作遊びであれば、乳児さんも一緒に楽しむことができます。
できあがった暑中見舞いは、お友達と交換したり、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚の家に郵送したりなど、贈る相手に喜んでもらえるとよいですね。

オリジナルうちわ作り

暑さを和らげる手作りのうちわも、夏にぴったりの製作です。
紙皿と割り箸を使えば、簡単で丈夫なオリジナルうちわができあがります。
さらに、ペンで絵を描いたり、おりがみで貼り絵をしたりして、世界にひとつだけのうちわに仕上げましょう。
できあがったうちわを家に持ち帰れば、子どもたちと家族とのコミュニケーションにも活躍しますよ。

プリンカップで風鈴作り

涼しげな音が可愛らしい風鈴も、透明なカップを使って手軽に作ることができます。
プリンカップに好きな絵を描き、鈴と画用紙で作った短冊をタコ糸で結んで作ります。
できあがった風鈴は、保育園やおうちの窓辺に飾って夏らしい雰囲気を楽しみましょう。

祖父母や家族の似顔絵を描く

お盆には、家族にちなんでおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんの似顔絵を描くのもおすすめです。
できあがった似顔絵は、家族で帰省する時のプレゼントにしても喜ばれます。
「この人は誰かな?」「おばあちゃんはどんな人なの?」と子どもたちとのコミュニケーションを楽しみながら、思い思いの絵を描いてもらいましょう。

夏休みの思い出を描く

夏休み期間のある保育園であれば、子どもたちに思い出の絵を描いてもらうのもよいですね。
花火やキャンプなどのお出かけや保護者様とのおうちでのコミュニケーションなど、日常生活とは異なる特別な体験をしている子どもも多いでしょう。
保育士さんも子どもたちに声かけをしながら、夏の思い出を振り返れるとよいですね。

保育園のお盆には、家族や夏を感じられる遊びがおすすめ!

保育園でお盆の行事や習慣を取り入れる時は、家族やご先祖様とのつながりを知り、どもたちにはたくさんの人に守られて生きていることを実感してもらえるとよいですね。

さらに、夏の保育では、季節感あふれる遊びをふんだんに取り入れて子どもたちと一緒に楽しみましょう!

次の記事では、保育園の熱中症対策を紹介しています。
保育士さん自身や子どもたちが安心して夏を過ごすために、ぜひチェックしてくださいね!
   

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