保育園で折り紙遊びを取り入れるねらいとは?

保育園での折り紙遊びは、子どもたちの成長をさまざまなプラスの影響をもたらします。
保育園で折り紙遊びを取り入れるねらいを確認し、遊びのバリエーションや声かけに活かしましょう。

形が変化する様子を楽しむ

一枚の折り紙が動物や花などのさまざまな形に変化する様子は、子どもたちに驚きと感動を与えます。
また、折り方を学ぶ中で、紙の折り目の位置や形の変化を観察することから、空間認識力が発達します。
形の違いや色の選び方に注目することで、観察力や色彩感覚も養われるでしょう。

想像力や創造力を培う

折り紙で作品を作る過程で、子どもたちは「何ができるかな?」「どんな色や模様にしたら可愛い(かっこいい)かな?」と想像を膨らませます。
また、「○○を作りたい!」と自分のイメージを形にすることで、創造力や表現力が育ちます。

集中力と困難を乗り越える力が高まる

決められた工程を順番通りに進める折り紙遊びは、子どもたちの集中力を養うのに適しています。
さらに、保育園では、うまくいかない時に保育士さんやお友達の力を借りたり、ひとつ前のステップに戻って再度チャレンジしたりして困難を乗り越えることで、壁にぶつかっても諦めない気持ちやコミュニケーション能力も育ちます。

手先の器用さを育む

折り紙遊びは、楽しみながら手の指先を細かく使う練習になります。
指先の動きを自分の意志でコントロールすることで手先の器用さが育まれ、のちの箸使いや文字を書く際のスキル向上にもつながります。

達成感を得る

折り紙を完成させると、「自分でできた!」という達成感が得られ、子どもの自信が育まれます。
簡単な作品から始めて、さまざまな作品を作りながら成功体験を積むことで、自主性や自己肯定感が高まるでしょう。
また、保育士さんの声かけやお友達とのやりとりも、子どもたちのモチベーションアップに大切な要素です。

保育園で子どもたちに折り紙遊びを指導する時のポイント

保育園で保育士さんが折り紙遊びを教える時のポイントを紹介します。
子どもたちにとってわかりやすい伝え方やモチベーションを上げる声かけのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね!

折り紙遊びのルールを確認する

折り紙遊びを始める前に、子どもたちに守ってもらいたいルールを共有しましょう。
折り紙の表と裏の確認や安全に遊ぶための約束事のほか、保育士さんやお友達と気持ちよく遊ぶためのコミュニケーションのルールも決めておくと安心です。

折り紙遊びのルールの例

  • 折り紙の端を触らない(ケガをしないように)
  • 先生に教えてもらう時間は、先生より先に折り進めない
  • 折り方がわからない時は、先生に声をかける
  • お友達の折り紙を触る時は、「触ってもいい?」「お手伝いしていい?」と声をかける


保育士さんがお手本を見せる

初めての折り紙では、保育士さんが完成した作品の見本を見せると子どもたちの好奇心をかきたてられます。
また、子どもたちが取り組む前に一通りのプロセスを見せると、「僕もやりたい!」「私も作れるようになりたい!」と前向きな意欲が湧いてきます。

子どもたちと同じ向きで実演する

折り紙の折り方を説明する時は、子どもたちと対面で向き合うと左右が反対になり、わかりづらくなります。
そのため、保育士さんが子どもたちと同じ向きになって実演すると、スムーズに理解できます。
保育士さんが座った状態で背後から子どもたちが見学したり、少人数なら子どもたちの隣に座ったりして指導しましょう。

簡単なステップにわける

折り方が複雑な部分は、小さなステップにわけて「まず、この部分だけ折ってみよう!」と立ち止まりながら少しずつ進めると理解しやすいでしょう。
途中でつまずいて「難しい!」「自分にはできないかも」と落ち込んでしまう子どもも、部分ごとに達成感を感じられると気持ちが楽になります。

個別にサポートを行う

途中で折り方がわからなくなってしまう子どもには個別に対応し、折り目の始まりを手伝ったり「ここを押さえてみようか」と声をかけながら一緒に折ったりすると、達成感を得やすくなります。
また、折り紙は何度でもやり直せることを伝え、「さっきのところまで一度戻ってみよう!」「先生に何度でも聞いてね!」と励まし、安心感を与えると挑戦しやすくなります。

うまくできた部分を褒める

折り紙遊びでは、全てが完璧にできていなくても、「ここがとてもきれいに折れているね!」とよかったポイントに注目し、子どもの努力を認める声かけを行うと自信につながります。
大好きな先生に褒められると、子どもたちの中に「もっと上手になりたい」「次はあれを折ってみよう」とポジティブな気持ちが生まれるはずです。

次の記事では、保育に関する本を借りられる福利厚生・Air Libraryについて紹介しています。
子どもたちとの遊びのバリエーションを広げたい時や声かけのコツを知りたい時にぜひご活用ください!

保育園で折り紙遊びを楽しむコツ【バリエーションが増える】

「折り紙遊びのバリエーションが欲しい」「子どもたちに興味を持ってもらえるような折り紙遊びはないかな?」と考えている保育士さんもいるのではないでしょうか。
ここでは、いつもの折り紙遊びに新鮮さが生まれるアイデアを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

季節にちなんだモチーフを選ぶ

折り紙遊びでは、季節感のあるモチーフやイベントを取り入れるとバリエーションが生まれます。
折り紙の色にもこだわることで、秋らしさや春らしさなどの四季の変化を楽しめるでしょう。
また、クリスマス会や卒園式などのイベントでは、折り紙を使った飾り付けもおすすめです。

和紙などの柄付き折り紙を使う

お正月や節分、ひなまつりなど、日本の伝統行事にまつわるイベントでは、和紙を使った折り紙遊びを取り入れると雰囲気が盛り上がります。
和紙ならではのザラザラとした感触や非日常を感じられる和のデザインに、子どもたちも興味を示すはず。

次の記事では、お正月にぴったりの製作遊びやゲームのアイデアを紹介しているので、ぜひご覧ください!

お友達と協力してひとつの作品を作る

保育園の折り紙遊びでは、クラスのお友達と一緒に大きな作品作りに取り組むのもおすすめです。
折り紙で作った複数のパーツを組み合わせて作る製作や折り鶴を紐で吊るす千羽鶴は、みんなで協力することの楽しさや達成感も実感できます。

保育園でおすすめの折り紙遊び【3歳児向け】

続いて、子どもたちの年齢別におすすめしたい折り紙遊びを紹介します。
初めて折り紙に触れる子どもたちも取り組みやすい、簡単な折り紙遊びからチャレンジしてみましょう!

チューリップ

折り紙を三角形に折り、3ステップで完成するチューリップは、初めての折り紙遊びにぴったりのモチーフです。
保育士さんがお手本を示しながら、折り目をていねいに合わせることや線に沿って紙を折ることに慣れてもらいましょう。
たくさん作ったお花は、教室や出し物の飾り付けにも活用できます。

おさかな

折り紙を二つ折りにするだけで完成するシンプルなおさかなも、年齢の小さい子どもたちが作りやすいモチーフです。
長方形に折った折り紙にペンで目やうろこを書き足すと、自分だけの特別なおさかなができあがります。
みんなで作ったおさかなは、子どもの日のこいのぼりや夏のイベントの飾り付けにも活用しましょう。

アイスクリーム

折り紙を三角形に折り、中央の折り目に沿って両端を折ると完成するアイスクリームも作りやすいでしょう。
子どもたちが大好きなアイスクリームは、ワクワクすること間違いなし。カラフルな折り紙を使って、色とりどりのアイスクリームを作ってみましょう。

保育園でおすすめの折り紙遊び【4歳児向け】

続いて、4歳児の折り紙遊びにぴったりのモチーフを紹介します。
子どもたちの主体性を大切に見守りながら、作った後に遊べるおもちゃや工夫改善を加えられる紙飛行機などにチャレンジしてみましょう。

カエル

おもちゃのように遊べる折り紙作品では、ピョンピョンはねるカエルはいかがでしょうか。
作る前に子どもたちに見本を見せ、「こんなふうに遊べるよ!」「自分だけのカエルさんを作ってみよう!」と楽しい遊びをイメージさせるとモチベーションがアップします。

紙ひこうき

子どもたちの創造力を育むには、紙ひこうきもおすすめです。より長い距離を飛ばすために、折り方を工夫するのも楽しいですね。
紙ひこうきは先端がとがっているので、飛ばす時は周囲に人がいないかどうかよく確認しましょう。

手裏剣

2枚の折り紙で作る手裏剣は、山折りを繰り返すシンプルなプロセスながら、頑丈で本格的なおもちゃができあがります。
2つのパーツを合わせる工程は、慣れるまでは難易度が高いため、保育士さんがサポートしましょう。

保育園でおすすめの折り紙遊び【5歳児向け】

社会性が育まれる5歳児の子どもたちの折り紙遊びでは、お友達へのプレゼントに喜ばれるものや日常生活でも使える実用的なアイテムがおすすめです。

折り鶴は子どもたちにとっては複雑な工程を含むため、完成するととても嬉しく、達成感を味わえます。
さまざまな色の折り紙で鶴を作って飾ったり、複数の鶴を紐でつないで吊るしたりして楽しみましょう。

ハート

折り紙遊びでは、可愛いハート型も子どもたちに人気のモチーフです。
お友達や保育士さんへのお手紙やプレゼントとして渡すことで、相手を思いやる気持ちも育まれます。

折り紙で作る箱は、小物を入れたりプレゼント入れにしたりして実用的に利用できます。
また、製作遊びや大掃除では、新聞紙で大きなボックスを作り、ゴミ入れや収納ボックスに活用するのもおすすめです。

次の記事では、保育園で子どもたちと掃除や片付けに取り組む際に役立つアイデアを紹介しています。
年末年始や年度末の大掃除に、ぜひ活用してくださいね!

保育園ではお友達や保育士さんと一緒に折り紙遊びを楽しもう!

折り紙遊びは、子どもたちの想像力や集中力を高め、手指の発達などのさまざまな効果を期待できます。
さらに、保育園では保育士さんやお友達に質問しながらわからないポイントを解決したり、みんなで協力して大きな作品を作ったりすることで、社会性も育まれるでしょう。

また、折り紙の指導では、子どもたち一人ひとりに声をかけることが安心感につながります。
保育士さんも、子どもたちの成長や努力に注目しながら、折り紙遊びを楽しんでくださいね!

次の記事では、冬の保育園での遊びに役立つアイデアを紹介しているので、あわせてご覧ください!
   

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