ピアノが弾けなくても保育士資格は取得可能

保育士資格は、ピアノが弾けなくても取得することができます。
保育士試験の実技試験では、音楽・造形・言語から2つを選択するため、必ずしもピアノ演奏が必須ではありません。

ただし、保育士試験でピアノを弾く必要がないといっても、保育の現場では子どもたちの歌や演奏に合わせてピアノを弾く場面が多くあります。
ピアノに苦手意識を持っている方は、採用面接や先輩との会話の中で「ピアノはまだまだ練習中です。これから精一杯努力しますので、よろしくお願いいたします。」と謙虚な姿勢を示せば、周囲にフォローしてもらいやすく、あなた自身のプレッシャーも軽くなるでしょう。

保育士に求められるピアノのレベルとは?

それでは、保育士にはどのくらいのピアノのスキルが必要なのでしょうか?

目安はバイエル修了程度

保育士に求められるピアノのレベルは、バイエル修了程度のスキルがあれば十分とされています。
「バイエル」とは、ピアノの基礎的な技術が網羅されている教則本です。今はピアノが弾けなくても、練習を重ね、やさしい曲を両手で弾けるレベルを目指すとよいでしょう。

子どもたちとの「弾き歌い」

保育士試験や保育の現場では、ピアノのスキルの高さよりも「弾きながら歌うこと」が求められます。
そのため、左手の伴奏などは自分のレベルに合わせてアレンジ可能です。あなたが無理なく弾けるレベルの演奏で、子どもたちと楽しく元気に歌えるとよいですね。

笑顔で楽しみながら弾くことが大切

保育士さんは、子どもたちと歌を歌いながら楽しむためにピアノを弾きます。
ピアノに苦手意識を持っている方は緊張してしまうかもしれませんが、ピアノの技術にはこだわりすぎず、笑顔で楽しみながら弾くことを心がけましょう。

保育士さんのピアノ上達のポイント

続いて、現場で働く保育士さんならではのピアノ上達のポイントを紹介します。

なるべく毎日ピアノに触ろう

ピアノの上達を目指すなら、なるべく毎日ピアノに触りましょう。1日5分でも、毎日続けていれば必ず上手になっていきます。
保育園や学校、自宅のピアノやキーボードなど、日常の中で練習できる場所を見つけるとよいでしょう。

曲は最後まで弾こう

保育の現場では、弾き始めたら曲の最後まで弾くようにしましょう。
途中で間違えてしまったり、演奏が止まってしまうこともあるかもしれませんが、子どもたちは楽しく歌っていたのを中断されると戸惑ってしまいしまいます。片手のみやアカペラでも大丈夫なので、最後まで完奏しましょう。

失敗を気にしすぎなくて大丈夫

保育園でピアノを弾く時は、演奏中に間違えたからといって気にしすぎる必要はありません。
成長過程の子どもたちも間違えることはありますので、先生だからといって必ずしも完璧にできなくてもよいのです。気持ちを切り替えて、子どもたちと一緒に楽しい時間を過ごせれば大丈夫です。

ピアノ初心者におすすめの練習方法7選

ピアノ初心者の保育士の方におすすめの練習方法を紹介します。
あなた自身が楽しく練習できそうなものを試して、自分に合う方法を取り入れてみてください。

自宅や学校、園で練習する

自宅や学校、園に自由に使えるピアノやキーボードがあれば、自主練習をしましょう。一人なら周囲の目を気にせずのびのびと練習できるはずです。
また、ご家族やご友人にピアノを弾ける方がいれば、教えてもらうのもおすすめです。

ピアノ教室に通う

短期間でピアノの上達を目指したい方は、ピアノ教室のレッスンに通うのも一つの方法です。
ピアノを教えるプロである先生は、あなたのレベルに合わせて、効果的な練習方法を提案してくれます。個人レッスンであれば、試験の課題曲や自分が弾きたい曲を自由に選べる教室も多いです。

YouTubeを観ながら練習する

YouTubeには、保育士さん向けのピアノ練習動画が数多く公開されています。再生速度を遅くして、動画に合わせてゆっくり弾いてみるとよいでしょう。
また、ピアノが苦手だった保育士さんが克服法を語る動画は、練習のやる気アップにもつながります。

光るキーボードで練習する

鍵盤の位置がなかなか覚えられないという方は、光るキーボードを使って練習するのもおすすめです。光るキーボードは曲に合わせて鍵盤が光り、次にどの鍵盤を弾けばよいかを教えてくれます。
光を追いかける練習を何度も繰り返すうちに、ピアノを弾くことに慣れていくでしょう。光るキーボードは、楽器屋さんやリサイクルショップなどで探してくださいね。

鍵盤に「ドレミ」のシールを貼る

ピアノの鍵盤の「ドレミ」の位置があいまいという方は、ビニールテープなどで「ドレミ」のシールを作り、鍵盤に貼って練習してみましょう。ピアノのドレミの位置がわかれば、楽譜と照らし合わせて弾きやすくなるはずです。
慣れてきたらシールをはがし、ドレミの位置を覚えているか確かめてくださいね。

片手ずつゆっくり練習する

ピアノは最初から両手で弾けるようになる必要はありません。まずは右手のメロディーラインから、ゆっくりとした速度で練習してください。
慣れてきたら徐々にテンポを速めたり、左手を少しずつ加えたりすれば、無理なく弾けるようになります。

好きな曲を練習する

ピアノの練習に疲れてしまった方は、子ども向けの曲に限らず、J-POPやK-POPなど、あなたのお気に入りの曲を練習してみてはいかがでしょうか。
「この曲を弾けるようになりたい!」という気持ちは、練習のモチベーションになるはずです。好きな曲を弾けるようになったら、ピアノ演奏が楽しくなりますよ。

ピアノ初心者におすすめのやさしい曲

ピアノ初心者の方におすすめの童謡を紹介します。
弾きやすい曲のポイントは、鍵盤の移動が少なく、終始一定のリズムで進行する曲です。保育の実務にも活かすことができますので、ぜひ練習してみてくださいね。

かえるのうた

「かえるのうた」はテンポがゆっくりで、弾く鍵盤同士が隣り合っているため、ピアノ初心者の方も習得しやすい曲です。保育園では、子どもたちと輪唱しながら歌えます。

チューリップ

「チューリップ」の弾き始めは「ドレミ ドレミ」から始まるため、初心者の方もリラックスして弾ける曲です。また、左手の伴奏のリズムも終始一定なので、両手弾きの練習にもよいですね。

ちょうちょ

「ちょうちょ」はドレミファソの5音で弾けるため、とても弾きやすい曲です。ゆっくりしたとテンポなので、左手の伴奏もひとつひとつの音を確かめながら弾けるでしょう。

どうしてもピアノが苦手な方の対処法

続いて、「どうしてもピアノが苦手」「ピアノを見るだけでつらくなってしまう」という方への対処法を紹介します。

ピアノ以外の楽器を演奏する

どうしてもピアノが苦手という方は、ピアノ以外の楽器を演奏する方法もあります。
保育士試験の実技では、ピアノ以外にアコースティックギターとアコーディオンの使用が認められています。「ピアノよりギターやアコーディオンの方がやってみたい」という方は、チャレンジするのもおすすめです。

ピアノがない保育園に勤務する

保育園の中には、規模や周辺環境などの事情から、ピアノを設置していない保育園があります。また、月齢の小さい乳幼児のみの保育園であれば、歌を歌う機会が少なく、ほとんどピアノを弾かない場合もあります。
保育士として働くうえで、ピアノを弾くことが大きな悩みという方は、ピアノを弾く必要がない保育園に勤務するのもひとつの方法です。

ピアノが苦手でも、少しずつできるようになれば大丈夫!

ピアノが弾けなくても保育士資格を取得することは可能です。しかしながら、保育の現場ではピアノを弾く場面が出てくるため、やさしい童謡を両手で弾けるようになるとよいでしょう。
今はピアノが苦手な方も、これから練習を重ね、少しずつできるようになれば大丈夫です。

この記事で紹介した練習方法や周囲の方にもらったアドバイスなど、あなた自身が「これならできそう!」と思える方法を試してみて、続けられそうなもの、しっくりくるものを取り入れていきましょう。​

子どもたちの成長をサポートする保育士さんなので、あなた自身も子どもたちと一緒に努力を重ね、苦手を克服できるとよいですね。
   

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