保育園看護師の配置人数

保育園看護師の配置人数については、厚生労働省により基準が定められています。

認可保育園については、看護師の常駐を義務付けており、保育園の規模を問わず1名以上の看護師の在籍が必要です。
※准看護師においては、状況によって異なります。

また、認可外保育園については努力義務となっており、看護師・准看護師ともに在籍していない園も存在します。

保育園看護師は専門職として、特に認可保育園でのニーズが高いといえます。

保育園で働く看護師の仕事内容

保育園で働く看護師の主な仕事内容は5つにわけられます。
ここでは、詳しい業務内容と保育園看護師に期待される役割を紹介します。

保育園看護師の役割

  • 子どもの健康管理
  • 子どもの保育補助
  • 保育園の衛生管理
  • 保護者への情報発信
  • 職員の健康管理


1.子どもの健康管理

保育園で働く看護師の仕事内容で大部分を占めるのは、子どもたちの毎日の健康管理です。

園児のケガや体調不良の対応、身体計測など、常に子どもたちの健康に気を配り、保護者の方への連絡やアドバイスを行います。
わかりやすく例えると、学校の保健の先生のような役割を担っています。

2.子どもの保育補助

「保育園で働く看護師」と「医療機関で働く看護師」の大きな違いとして、子どもたちの保育補助の有無が挙げられます。

保育園で働く看護師は、園によっては0歳児を中心とした保育補助の業務を任されることもあります。
特に月齢の小さい子どもほど体調の変化が起きやすいため、看護師としての専門知識や実務経験が期待されるでしょう。

3.保育園の衛生管理

保育園内の衛生管理も看護師の重要な仕事です。

トイレや水飲み場など、子どもたちがよく触れる場所が清潔に保たれているかを確認します。
また、手洗いやうがいなどの衛生指導を行う場合もあり、幼い子どもたちに習慣として取り入れてもらうための工夫が必要です。

4.保護者の方への情報発信

保育園看護師は、お子さまの健康管理や体調不良について、保護者の方への情報発信やアドバイスを行います。

保健だよりを発行して流行している感染症や予防接種などの情報を伝えたり、直接アドバイスを行ったりするなど、保護者の方々とともに子どもたちの健康を守る役割を担っています。

5.職員の健康管理

保育園看護師は、職員に対して園内での食中毒や感染症拡大の防止、また、お子さまのアレルギーなどの情報を共有します。

また、職員の健康診断の際は会場の設営や病院との連絡役を担当するなど、事務的な仕事をこなすこともあります。

保育園看護師のやりがい

保育園看護師は、医療機関で働く看護師とは異なる業務内容だけに、保育園だからこそ感じられる喜びがあります。
続いて、保育園看護師のやりがいを紹介します。

子どもたちの成長を実感できる

保育園で働くと、園に通う子どもたちの成長を間近に感じられます。

子どもたちのできることが少しずつ増えていったり、「先生!」と駆け寄ってきてくれたりすると、こちらまで元気をもらえます。
園児たちが無事に卒園していく姿には、感動と達成感で涙がこぼれてしまうことも。

子どもと接するのが好きな人にとって、お子さまたちの日々の成長を見守ることがやりがいにつながるでしょう。

「ありがとう」と感謝される

保育園で働くと、子どもたちや保護者の方、職員に直接「ありがとう」「助かりました」と感謝の言葉をもらえる場面が多くあります。

特に看護師は専門職のため、「自分にしかできない仕事」で人の役に立てることにやりがいを感じられます。
周囲に頼られ、感謝の言葉をもらえる​ことが、仕事を続ける大きなモチベーションになるはずです。

保育園の環境改善に貢献できる

保育園看護師の仕事は、子どもたちの健康面や施設の衛生面をサポートすることによって、保育園全体の環境改善に貢献できます。

看護師の立場からの医療の専門知識や意見は、子どもたちの安心・安全な生活を目指すうえで大きなプラスになります。
仕事の中で「社会の役に立っている」と実感できれば、自分自身にも誇りを持って働けるはずです。

保育園看護師のメリット

医療機関と保育園では、労働条件についても大きな違いがあります。
続いて、保育園で働く看護師の条件面でのメリットを紹介します。

基本的に土日祝日休み

保育園は、カレンダー通りの土日祝日休みの勤務形態が多い職場です。

また、病院で働く看護師とは異なり夜勤がなく、夜間預かりなどのない一般的な保育園では朝から夕方までの勤務となります。

不規則な勤務体系による体への負担が少なく、カレンダー通りの休日でプライベートの予定も立てやすいことは、保育園で働くうえで大きなメリットになります。

注射や採血を行わない

園児が保育園でケガをした場合、園でできる対応は応急処置までと定められているため、採血や投薬などの医療行為はほとんど行いません。

そのため、医療機関での注射や採血を苦手に感じている看護師にとっては働きやすい職場といえるでしょう。

子育ての経験を活かせる

子育ての経験がある方は、保育園で子どもたちと関わる中で自身の育児経験を活かせるでしょう。

現在は保育園看護師として活躍している方の中にも、過去に自身の出産を機に看護師を離職し、保育園看護師として再就職したケースが多数存在します。

看護師としての医療の知識や経験に子育ての経験が加われば、子どもたちへの保健指導もスムーズに進みます。
また、保護者の方と同じ「お母さん目線」になれるので、健康面のアドバイスもしやすくなるはずです。

また、子育ては未経験の人も、保育園での経験が今後の人生で役に立ちます。

保育園看護師のデメリット

続いて、保育園で働く看護師ならではのデメリットを紹介します。

医療機関に比べて給料が低い

保育園で働く看護師には夜勤や土日祝日の勤務がないため、医療機関に勤務する看護師に比べて収入が少ない傾向にあります。

ただ、パートタイムで働く場合の保育園看護師の時給は医療機関以外の業界・職種よりも高い傾向にあるため、自身のプライベートや家庭の事情に合わせて働ける点ではメリットといえます。

業務範囲が多岐に渡る

保育園に勤める看護師は園の保健関係全般に関わるため、業務範囲が多岐に渡ります。

そのため、新しい環境に慣れるまでは仕事内容を把握するのに時間が必要かもしれません。
業務範囲や保育補助の有無については保育園によって大きく異なるので、面接の際に詳しく確認しておきましょう。

人間関係を築く必要がある

保育園の看護師は園に1人の専門職である場合が多いため、園の職員との人間関係の構築が肝になります。

保育士や職員と積極的にコミュニケーションをとりながら、保育士に子どもたちとの関わり方について助言を求めたり、本部に衛生に関する提案を挙げやすくしたりするなど、自分が働きやすい環境を作ることができます。
また、アルファコーポレーションでは3ヶ月に1回の頻度で、保育園で働く看護師と会社代表による定例会「ナース会」を行っています。
保育園看護師として働くうえでの悩みの相談や、お子さまへの対応、他の園ではどうしているかなどの情報収集の場としても活用できるでしょう。

保育園看護師に向いている人

続いて、保育園看護師の仕事に向いている人の特徴を紹介します。

子どもが好き

保育園看護師の仕事は子どもと接する場面が多いため、子どもが好きという人はやりがいを持って働ける職場です。

「子どもたちのためなら頑張れる」「子どもたちの笑顔を見ると元気になれる」という人なら、毎日の仕事の中で子どもたちにパワーをもらえるので、仕事で壁にぶつかった際も乗り越えていけるはずです。

コミュニケーション力が高い

保育園では、保育士や職員、保護者の方々などさまざまな立場の人と連携を取りながら子どもたちの生活を見守ります。

また、保健指導や衛生管理について、自ら保育士や職員に情報を共有する必要があります。
そのため、周囲の人々と日頃の雑談や助け合いの中から信頼関係を築き、こちらの提案を聞き入れてもらえるような工夫が必要です。

事務仕事が苦ではない

保育園看護師は、医療機関で働く看護師に比べて事務仕事の割合が大きく占めます。

保育園看護師の業務内容には、園児の健康状態を記録する書類の管理のほか、子どもたちに衛生習慣を促すポスター作りや保護者に情報を発信する保健だよりの発行など、多岐に渡る仕事があります。
TO DOリストなどでやるべきことを把握しながら、抜けもれなく仕事をこなしてくださいね。

まとめ

ここまで、保育園で働く看護師の仕事内容とやりがい、メリット・デメリットを紹介しました。
医療機関で働く看護師との違いとしては、以下の5点が挙げられます。

保育園看護師の特徴

  • 子どもと関わる機会が多い
  • 仕事内容が多岐に渡る
  • 医療行為をほとんど行わない
  • 保育士や保護者の方など、さまざまな立場の人と人間関係を構築する
  • カレンダー通りの休日を取得しやすい


健康面や安全面から子どもたちをサポートする保育園看護師は「子どもと接するのが好きな人」や「自分のライフスタイルに合った働き方を実現したい人」にはぴったりの仕事です。
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