保育園での身体測定のねらい

身長や体重を測り、子どもの成長を記録する身体測定。毎月定期的に実施されていることと思います。
保護者様も我が子の成長の記録を毎月楽しみにされていることでしょう。
では、保育園での身体測定にはどのようなねらいがあるのでしょうか?

▼保育園の主な年間行事はこちらをチェック!

自分自身の身長や体重に興味を持つ

身体測定のひとつめのねらいは、子どもたち自身が、自分の背の高さや体重の重さに興味を持つことです。
身体測定を行い、自分自身が大きくなったことを知ることで、身体のしくみや食事をとることについても興味を持つきっかけになっています。

発達や成長に関心を持ち、心や体が健康でいることの大切さを知る

身体測定で自分が大きくなったと知ることができれば、それは自分が成長したことへの喜びや自信につながります
また、成長を喜ぶだけでなく「たくさん食べてもっと大きくなろう!」という前向きな気持ちを持つきっかけにもなり、子どもたち自身はもちろん保護者様も一緒に元気で丈夫な身体づくりに関心を持つことができます。

社会的なマナーを学ぶ

身体測定をスムーズに行うには、列に並んだり順番を守ったりすることも必要です。また年齢に合わせてプライベートゾーンについてもお話をする良い機会になります。自分の体やお友達の体の大切さを学ぶことや、お着替えのときに他者からの視線を遮る工夫も確認していきましょう。
身体測定の場は社会生活でマナーやルールを学ぶ機会にもなっています。

保育園の身体測定に必要な事前準備

多くの子どもたちの身体測定を行うには、いくつかの準備が必要です。
滞りなくスムーズに実施するためにも、きちんと事前準備をしておきましょう。

機材や器具を準備しておく

子どもたちの身長や体重を測定するためにはいくつもの機材や器具が必要です。
身体測定の内容に合わせて、必要な物を準備したり、正しく測定できるかを確認するなど、当日までにきちんと準備しておきましょう。

身体測定に必要な準備物(一例)

  • 身長計
    乳児用の仰臥式(ぎょうがしき)や学童用・一般の身長計を用意します。
    尺度が直角かどうか、横規が滑らかに動くかどうかを確認しておきましょう。
  • 体重計
    感度10g単位以内のデジタル式体重計もしくは分銅式台秤を用意します。
    目盛りに狂いがないかを必ず事前に確認し正確に計測できるか検査しましょう。

役割分担を決めておく

身体測定では、計測する人・記録する人・誘導する人など様々な役割が必要です。
そのため、どのスタッフがどの役割をするのか、事前に役割分担を明確にしておきましょう。
役割が決まっていないと、うまく進行できなかったり子どもたちを長い時間待たせてしまったりする可能性もあります。
短時間でスムーズに身体測定を進めるためにも、細かく役割分担を決めることが大切です。

クラスや子どもの順番を決めておく

身体測定を行う順番が決まっていないと、子どもたちが戸惑ってしまい混乱を招く原因にもなります。
どのクラスから計測をするのか、誰から進めるのかなど、順番をきちんと決めておきましょう。
年齢によっては、自分で衣服の着脱ができる子もいると思いますが、月齢や発達状況によってできることの度合いは様々です。
お手伝いが必要な子や順番に並ぶのが難しい子に配慮しながら、順番を決めると良いでしょう。

排泄の確認をしておく

正しく測定するためにも、身体測定の前には排泄しておくことも大切です。
乳児クラスでオムツを履いている子は、オムツの状態をチェックして必要があれば交換しましょう。
トイレで排泄できる子には、トイレに行くよう声かけをすると良いでしょう。

保育園の身体測定の進め方や配慮は年齢によって異なる

事前準備が整ったら、正しい身体測定の進め方について確認しておきましょう。
0~1歳児の乳児の場合と、2~5歳児の場合とでは発育状態が異なるため、計測方法にも違いがあります。
ここからは、年齢別に分けて正しい測定のやり方についてご紹介します。

保育園の0~1歳児の正しい身体測定のやり方

0歳児、1歳児は、まだ上手に立って計測することが難しいため、基本的には寝転んだ状態での計測となります。

身長測定

0~1歳児の場合は、仰臥式(ぎょうがしき)といって、仰向け体制で計測できる身長計を使用します。
しっかりと足を伸ばし、頭を動かさずに垂直に保つためにも2人以上の保育士で測定すると良いでしょう。

<正しい身長測定のやり方(0~1歳児)>
【1】子どもを身長計の上に仰向けの体勢で寝かせる
【2】1人の保育士が子どもの頭頂部を固定板につけて顔が垂直に保てるよう支える
【3】もう1人の保育士(計測担当)が片方の手で子どもの両ひざを軽く押さえ足を真っすぐに伸ばす
【4】計測担当の保育士がもう片方の手で移動板を子どもの足の裏まで滑らせて、台板と垂直になるようにあてて計測する


体重測定

0~1歳児は体重計の上でじっとしていることが難しいため、かごに入れて計測するものや仰向けの体勢で測れる計測器を使いましょう。

<正しい体重測定のやり方(0~1歳児)>
【1】計測前に目盛りが「0」になっていることを確認する
【2】子どもを仰向けまたは座位で体重計のかごや台に乗せる
【3】指針が静止してから10g単位で目盛りを読み計測する


保育園の2~5歳児の正しい身体測定のやり方

しっかりと自分で立つことのできる2歳以上の子どもは、立位または座位で計測を行います。

身長測定

2歳以上は、立位で測れる計測器を使い立った状態で計測します。

<正しい身長測定のやり方(2~5歳児)>
【1】下着の状態になり、児童用または一般の身長計の尺柱に背を直立させて立つ
【2】つま先を30度くらいに開き、尺柱にかかと・でん部・胸背部をしっかりとつける
【3】両腕は手の平を内側にして自然に垂らし、肩の力を抜き、顎を引いて目線は真っすぐ正面を向くようにする
【4】稼働水平棒をゆっくりと下げ、軽く頭頂部に触れる箇所で計測する


体重測定

体重測定も立った状態で計測できる体重計を使用します。

<正しい体重測定のやり方(2~5歳児)>
【1】体重計の目盛りが「0」になっていることを確認する
【2】体重計の中央に子どもを立たせ、指針が静止してから目盛りを計測する
【3】計測後にも目盛りが「0」になっていることを確認する


保育園の身体測定で注意すべきポイント

ここからは、保育園での身体測定の注意点や配慮すべきポイントについて解説します。

部屋の温度管理

身体測定の際は、下着姿や薄着の状態になり、場合によってはその状態で順番待ちをしなければなりません。
そのため、身体を冷やさぬよう室内の温度を暖かくしておくことが大切です。寒がる子どもがいた場合に備えてブランケットやタオル、簡単に着脱できる上着を用意しておくと良いでしょう。
また、年齢によっては、性別ごと待機するお部屋を分けるなどの配慮も必要です。

フォロー体制を整える

身体測定では、いつもと違う雰囲気に緊張してしまったり泣き出してしまう子どもも少なくありません。
そうした場合に子どもたちが混乱してしまわないように、きちんとフォロー体制を整えておくことが大切です。
また、泣いてしまったり怖がったりしてしまった場合には、保育士が寄り添い気持ちを落ち着かせてから身体測定を行うなど、臨機応変な対応を心がけましょう。

事前準備はしっかりと

先述のように身体測定には必要な器具や機材があるので正しく測定できるか事前に確認しておきましょう。
また他者からの視線を遮る環境などにも配慮が必要です。
必要なものの準備や職員の役割分担などは事前にしっかりと確認し、当日に備えましょう。
中には器具を怖がってしまう子どももいるため、当日を迎えるまでに身体測定で使う器具を子どもたちに見せたり使い方を紹介したりしておくのもいいですね。

保育園の身体測定で子どもたちの成長をサポートしよう!

保育園での身体測定は、子どもたち自身が発育や身体のことに関心を持ったり、成長を喜んだりするねらいがあり、「もっと大きくなりたい!」「たくさん食べて元気になろう」という気持ちが芽生えるきっかけづくりの場にもなっています。
スムーズに身体測定に行うには、事前の準備や環境整備、サポート体制が大切です。
それぞれの発達や性格に寄り添いながら、子どもたちが安心して身体測定を受けられるようにしたいものですね。

少人数制の保育園や認可保育園、企業主導型保育所など様々な保育形態を展開するアルファコーポレーションでは、お子さま一人ひとりの成長に寄り添った丁寧な保育を大切にしています。
また、お子さまや保護者様だけでなくスタッフ自身も安心して働ける環境。
産休や育休を経て子育てをしながら活躍しているスタッフも多数活躍しています。

▼子育て両立しながら活躍するスタッフのインタビューもぜひご一読ください。
本記事掲載のあるふぁのリアルでは、アルファコーポレーションでの日々の様子や保育士のリアルな声なども多数紹介していますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてくださいね!
   

関連する記事

関連するキーワード

著者