合格から保育士として働くまでの流れ

試験に合格してから、実際に保育園などで働き始めるまでには、大きく分けて4つのステップがあります。
まずは全体の流れをイメージしてみましょう。

ステップ1:合格通知書の受け取り
試験センターから合格通知が届きます。
受験申込を郵送申請した場合:
合格通知書などは「紙の郵送」で届きます。
受験申込をオンライン申請(マイページ申請)した場合:
合格通知書などは「マイページで公開・ダウンロード」という形で確認できます。郵送はされません。
ここで安心せずにすぐに次のステップに進みましょう。

ステップ2:保育士登録の申請
必要な書類を揃えて申請します。申請してから登録が完了するまで約2ヶ月かかります。

ステップ3:就職活動・内定
登録手続きと並行して就職活動を進めます。

ステップ4:保育士証の交付・勤務開始
保育士証の交付 手元に「保育士証」が届いたら手続き完了です。
就職先が決まっていれば、いよいよ保育士としての第一歩を踏み出せます。


ここで重要なのは、「申請から登録完了までに約2ヶ月かかる」というタイムラグです。
多くの保育園では、採用時に保育士証の提示が必要になります。
「4月から働きたいのに、証書が間に合わない!」なんてことにならないよう、合格通知が届いたらすぐに申請準備に取り掛かるようにしましょう。

▼保育士試験のポイントや勉強法については、こちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【重要】保育士登録の手続き方法

「試験に受かったら保育士を名乗ってもいいよね?」と思うかもしれませんが、実際には都道府県知事の登録を受けて初めて「保育士」と認められます。
保育士としての第一歩を踏むためにも、以下の手順に沿って保育士登録の申請手続きを進めましょう。

手順1:申請の手引きを取り寄せる

まずは、「保育士登録事務処理センター」から申請の手引きを取り寄せて申請書を入手しましょう。
保育士登録事務処理センターの公式サイト​を確認し、郵送で取り寄せます。
転送不要の郵便で送られてくるので、確実に受け取れる住所を指定しましょう。

手順2:登録料を支払う

保育士登録の手引きが届いたら、同封されている払込用紙に記入し、郵便局窓口で登録手数料を支払いましょう。
登録手数料は4,200円です。
手数料を支払ったら必ず振替払込受付証明書を受け取りましょう。
この振替払込受付証明書は、保育士登録の申請時に提出が必要です。

手順3:登録申請に必要な書類を揃える

申請書を入手したら、登録申請に必要な書類を揃えます。
登録申請に必要な書類は以下の通りです。 手引きに同封されているチェックリストを活用して、漏れがないように準備しましょう。

  • 保育士登録申請書:
    手引きに同封されています。
  • 振替払込受付証明書:
    登録手数料を郵便局で払い込んだ際に受け取る証明書です。
  • 保育士試験合格通知書:
    原本が必要です。「記録として残しておきたい」という方は、提出前にカラーコピーをとっておくのがおすすめです。
  • 戸籍抄本(または個人事項証明書):
    本籍地の役所で取得します。発行から6ヶ月以内のものが必要です。
  • 証明写真:
    縦3cm×横2.4cm。裏面に氏名を記入するのを忘れずに。
  • 切手・封筒:
    申請書類を郵送する際に必要です。


手順4:申請書類を提出する

申請に必要な書類が揃ったら郵便局の窓口にて簡易書留で郵送します。
郵送物が届かないなどの万が一のトラブルに備えて書留郵便物の受領書を発行してもらい、無事に保育士証が届くまで大事に保管しておきましょう。

手順5:保育士証の交付

申請書類を提出してから約2ヶ月ほどで保育士証が交付されます。
保育士証を受け取ることで、初めて保育士を名乗ることができます。
書類提出から3ヶ月以上が経っても保育士証が届かない場合は、保育士登録事務処理センターに問い合わせましょう。

保育士登録の申請と同時に就職活動スタート

保育士証が届いたら晴れて保育士として働ける第一歩です。
保育士としてスムーズに働き始めるためにも登録申請の手続きを進めると同時に就職活動をスタートさせましょう。
多くの場合、提出書類として保育士証の提示が求められますが、まだ手元に届いていない場合は、「◯年◯月頃に交付される予定です。」と伝えましょう。

多くの保育園では、採用試験時に保育士証がなくても、確実に交付されることが分かっていれば選考を進めてもらえるケースがほとんどです。
また、保育士証が届くまでの間、「保育補助」として勤務できる園もあります。 「少しでも早く現場の空気に慣れたい」「収入を確保したい」という方は、面接時に相談してみるのもひとつの方法です。

働く場所は保育園だけじゃない!施設形態の選び方

「保育士の職場=認可保育園」というイメージが強いかもしれませんが、実は活躍の場は多岐にわたります。
施設形態によって働き方や雰囲気も異なるため、「保育士としてどんな風に働きたいか」を考えながら検討すると良いでしょう。

保育士が活躍できる主な施設

  • 認可保育園:
    国の基準を満たした施設。福利厚生が整っていることが多く、安定して働きたい方におすすめ。
  • 企業内・企業主導型保育園:
    企業の従業員のお子さまや地域のお子さまをお預かりする施設。行事が少なめで、一人ひとりとじっくり関われるアットホームな園が多いのが特徴です。
  • 小規模保育園:
    0〜2歳児が中心の少人数制の保育施設。一人ひとりの子どもとじっくり関わりたい方に向いています。
  • 病院内保育(院内保育):
    病院で働く医師や看護師のお子さまをお預かりする施設。「医療現場を支える保護者を、保育で支える」という大きなやりがいがあります。
  • 学童保育・児童館:
    小学生以上の子どもが対象の施設。遊びや宿題のサポートが中心になります。


「自分にはどこが合っているんだろう?」などと迷う場合は、園のホームページを見たり、実際に見学したりして、現場の空気を感じてみるのがおすすめです。

求人票のチェックポイント

求人票を見る際は、どうしても「給与」や「休み」ばかりが気になってしまいますよね。
もちろん生活する上でとても大切ですが、長く働くためには以下のポイントもぜひチェックしてみてください。

  • 保育理念・方針: 「のびのび遊ばせる」のか「教育プログラム重視」のか。あなたの考えと園の方針が合っていればストレスを感じることなく長く活躍できるでしょう。
  • 研修制度の有無: 特に未経験の方にとって、入社後のフォロー体制は重要です。「先輩がついて教えてくれるか」「定期的な研修があるか」などの制度は要チェックです。
  • 職員の年齢層や雰囲気: 実際に園を見学できる場合は、働いている先生たちの表情や雰囲気を見ておきましょう。挨拶が明るいか、先生同士の連携が取れているかは、文章だけでは分からない「リアル」な情報をチェックするチャンスです。


未経験でも大丈夫?就職成功のポイント

「資格は取ったけれど、実務経験がない。本当に保育士としてやっていけるかな…」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に異業種から転職される方は、経験が活かせる場があるだろうかと不安に感じるかもしれません。
でも、安心してください。実は、保育現場では「社会人としての経験」が重宝されることが多いのです。

社会人経験は大きな武器になる

保育士は、子どもと関わるだけでなく、保護者への対応や職員間の連携も大切な仕事のひとつです。
異業種で培ったスキルは、保育現場でも十分に即戦力として活かすことができます。
例えば、ビジネスマナーが備わっていれば保護者への丁寧な対応にも活かせますし、PCスキルはお便りや資料づくりに欠かせません。
また、コミュニケーション力は、子どもや保護者との関わりだけでなく職員との連携にも必要なスキルです。
「保育は未経験ですが、前職での経験を活かして、保護者の方に安心していただける対応を心がけます」などと面接で伝えることで、ご自身の経歴が立派なアピールポイントになるでしょう。

面接では「スキル」より「人柄」を重視

ピアノが苦手、制作が不器用…など、技術的な不安を抱えている方もいるかもしれませんが、多くの採用担当者が面接で一番見ているのは人柄です。

採用担当者が重視するポイント

  • 子どもの目線に合わせて話せるか
  • 明るく笑顔で挨拶ができるか
  • 分からないことを「教えてください」と言える素直さがあるか


まずは「子どもと一緒に成長したい」という素直な気持ちと、笑顔を忘れずに面接に臨んでくださいね。

漏れなく登録申請を済ませることが保育士へのスタートライン

保育士試験に合格したら、喜びもつかの間、事務的な手続きが多くなりますが、これらは全てプロの保育士として輝くために必要な準備期間です。
漏れなく登録手続きを済ませて保育士証を手にした時には、きっとこれまでの苦労を吹き飛ばしてくれるほどの喜びと感動を得られることでしょう。
未経験や異業種からの転職でも、保育士として活躍できる場所は必ずあります。
まずはしっかりと登録申請を行って、保育士としてあなたらしく輝けるフィールドを見つけてくださいね。

アルファコーポレーションは、認可保育園をはじめ、病院内保育や企業内保育など、様々な形態の保育施設を運営しています。 だからこそ、「じっくり子どもと関わりたい」「スキルアップしたい」など、あなたの希望に合った働き方がきっと見つかります。

また、保育士未経験の方やブランクのある方も安心して活躍ができるよう、専属のメンターがつく「メンター制度」や、実務に即した研修など、サポート体制も充実しています。 「まずは園の見学だけ」も大歓迎ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

本記事掲載の「あるふぁのリアル」では、保育士のリアルな声や行事の様子、保育士を目指す方に役立つ情報なども多数発信していますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。
   

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