前編では、園庭づくりに向けて子どもたちと保育者が思いを巡らせ、イメージを膨らませていく過程をお伝えしました。
後編となる本記事では、虫宿づくりや栽植に向き合った2日間のワークショップを行った当日の様子、そしてその時間が日常へとつながっていく様子を振り返ります。子どもたちが実際に手を動かし、環境と関わった先に、どのような変化が生まれていったのか。その一つひとつを丁寧にたどっていきます。
後編となる本記事では、虫宿づくりや栽植に向き合った2日間のワークショップを行った当日の様子、そしてその時間が日常へとつながっていく様子を振り返ります。子どもたちが実際に手を動かし、環境と関わった先に、どのような変化が生まれていったのか。その一つひとつを丁寧にたどっていきます。
落ち葉と枝でつくる虫宿づくりワークショップ
園庭づくりの実践として行った2日間のワークショップ。
前編に引き続きASOBIOさんもご協力いただきました。
前編に引き続きASOBIOさんもご協力いただきました。
その1日目は、虫宿づくりから始まりました。
この日は、どんな虫がやって来るだろうかというワクワクしながら、子どもたちと一緒に園庭を歩き、落ち葉や木の枝を集めました。
子どもたちは足元に目を向け、乾いた葉の感触や枝の形を確かめながら、使えそうな素材を探していきます。
拾い上げた落ち葉を手に取り、重ねてみたり、枝の長さを比べたりする姿からは、「ここに何かが住む」というイメージを思い描いている様子がうかがえました。
この日は、どんな虫がやって来るだろうかというワクワクしながら、子どもたちと一緒に園庭を歩き、落ち葉や木の枝を集めました。
子どもたちは足元に目を向け、乾いた葉の感触や枝の形を確かめながら、使えそうな素材を探していきます。
拾い上げた落ち葉を手に取り、重ねてみたり、枝の長さを比べたりする姿からは、「ここに何かが住む」というイメージを思い描いている様子がうかがえました。
集めた素材は、虫宿の中に一つずつ丁寧に詰めていきます。
どこに置くか、どんな組み合わせにするかを考えながら、手を止めて覗き込む子もいました。
子どもたちから「かぶとむし来るかな」「きれいなお花咲くといいな」という声が上がっていました。
虫がまだいないことは分かっていても、その場所にこれから起きることを想像し、確かめるようなまなざしが見られました。
活動を通して、子どもたちは「つくる」ことよりも、「ここがどうなっていくのか」をたくさん想像にしていたように思います。完成を急ぐ様子はなく、虫宿の中に詰めた落ち葉や枝を何度も見直しながら、その場に立ち止まる姿が印象的でした。
どこに置くか、どんな組み合わせにするかを考えながら、手を止めて覗き込む子もいました。
子どもたちから「かぶとむし来るかな」「きれいなお花咲くといいな」という声が上がっていました。
虫がまだいないことは分かっていても、その場所にこれから起きることを想像し、確かめるようなまなざしが見られました。
活動を通して、子どもたちは「つくる」ことよりも、「ここがどうなっていくのか」をたくさん想像にしていたように思います。完成を急ぐ様子はなく、虫宿の中に詰めた落ち葉や枝を何度も見直しながら、その場に立ち止まる姿が印象的でした。
草花と木を植える栽植ワークショップ
ワークショップ2日目は、園庭に草花や木を植えていきました。
この日は、園芸屋さんから植物の特徴や植え方について話を聞きながら、子どもたち一人ひとりがスコップを手に取り、実際に土に触れていきました。
土を掘る深さや苗の置き方を確かめながら、子どもたちはゆっくりと作業を進めていきました。
スコップですくった土の感触を確かめるように手を止めたり、苗をそっと支えながら穴に入れたりする姿からは、目の前の植物と向き合う真剣さが感じられました。
この日は、園芸屋さんから植物の特徴や植え方について話を聞きながら、子どもたち一人ひとりがスコップを手に取り、実際に土に触れていきました。
土を掘る深さや苗の置き方を確かめながら、子どもたちはゆっくりと作業を進めていきました。
スコップですくった土の感触を確かめるように手を止めたり、苗をそっと支えながら穴に入れたりする姿からは、目の前の植物と向き合う真剣さが感じられました。
植える場所についても、決められた正解はありません。
日当たりや広さを見ながら、どこに植えるのがよさそうかを考え、周囲の様子を確かめながら場所を選んでいきました。
中でも、レモンの木を植える場面では、すでに小さな実をつけている様子に、子どもたちの視線が自然と集まりました。
枝や葉の様子をじっと見つめながら、この木が園庭の中で育っていくことを感じ取っているようでした。
日当たりや広さを見ながら、どこに植えるのがよさそうかを考え、周囲の様子を確かめながら場所を選んでいきました。
中でも、レモンの木を植える場面では、すでに小さな実をつけている様子に、子どもたちの視線が自然と集まりました。
枝や葉の様子をじっと見つめながら、この木が園庭の中で育っていくことを感じ取っているようでした。
育てることで生まれた、園庭への愛着
その後、園庭は子どもたちにとって「ただ遊ぶ場所」ではなくなりました。
虫宿に生き物が来ているかもしれないというワクワクした気持ちで保育園に登園してくる子が多かったです。
登園すると自然と虫宿の前に足を運び、中をのぞき込み、落ち葉や枝を見つけてはそっと加える姿がありました。
バッタやダンゴムシの姿を見つけたときには、思わず立ち止まり、確かめるように見つめる表情が印象的でした。
草花や木を植えた場所は「葉っぱと夢の島」と名づけられ、毎日の水やりが当たり前のように続いています。
生き物や自然を大切に思う気持ちが育ってきているようです。
また、5歳児が虫探しをしている様子を見て、自分たちも探してみたいと感じた子どもたちが、「どうやって探すの?」と尋ねに行く姿もありました。教えてもらったことを手がかりに、自分なりに考えて探し、見つけた虫を友だちと共有する中で、嬉しさや達成感を分かち合っていました。
子どもたちの園庭を愛するエピソードは書ききれないほどたくさんあります!
虫宿に生き物が来ているかもしれないというワクワクした気持ちで保育園に登園してくる子が多かったです。
登園すると自然と虫宿の前に足を運び、中をのぞき込み、落ち葉や枝を見つけてはそっと加える姿がありました。
バッタやダンゴムシの姿を見つけたときには、思わず立ち止まり、確かめるように見つめる表情が印象的でした。
草花や木を植えた場所は「葉っぱと夢の島」と名づけられ、毎日の水やりが当たり前のように続いています。
生き物や自然を大切に思う気持ちが育ってきているようです。
また、5歳児が虫探しをしている様子を見て、自分たちも探してみたいと感じた子どもたちが、「どうやって探すの?」と尋ねに行く姿もありました。教えてもらったことを手がかりに、自分なりに考えて探し、見つけた虫を友だちと共有する中で、嬉しさや達成感を分かち合っていました。
子どもたちの園庭を愛するエピソードは書ききれないほどたくさんあります!
保育者から見る子どもたちの変化
園庭完成後、子どもたちの姿にはいくつかの変化が見られました。
一つは、関わりが一過性で終わらなくなったことです。
園庭を通して、
『見つける、触れる、そしてまた見に行く。』
『前と比べて気づく、違いを感じる、待つ。』
こうした行動が、日常の中で繰り返されるようになりました。
もう一つは、大切にするという気持ちが行動として表れるようになったことです。
注意されなくても、壊さないよう、踏まないよう、大事に扱う。
自分たちが関わってきた園庭だからこそ、感じるものがあり、その心の変化が行動につながったのだと思います。
一つは、関わりが一過性で終わらなくなったことです。
園庭を通して、
『見つける、触れる、そしてまた見に行く。』
『前と比べて気づく、違いを感じる、待つ。』
こうした行動が、日常の中で繰り返されるようになりました。
もう一つは、大切にするという気持ちが行動として表れるようになったことです。
注意されなくても、壊さないよう、踏まないよう、大事に扱う。
自分たちが関わってきた園庭だからこそ、感じるものがあり、その心の変化が行動につながったのだと思います。
園庭づくりを支えた、保護者様のご協力
実は、園庭づくりは、園の中だけで進められたものではありません。
4月の保護者会では、園庭を改装する予定についてお伝えし、多くの保護者の方が関心を持ち、前向きに受け止めてくださいました。実際に、園庭づくりのワークショップに参加してくださった保護者の方もいらっしゃいます。
また、虫宿づくりの後、子どもたちが毎日のように虫宿の様子を気にかける中で、中に入れていた落ち葉や枝がすべてなくなってしまう出来事もありました。その際、状況を知った保護者の方が気にかけてくださり、虫宿に入れるためのおがくずを提供してくださいました。こうして虫宿は、再び整えられていきました。
子どもたちの興味や行動を「困ったこと」ではなく、「大切にしたい育ち」として受け止め、園と同じ視点で関わってくださる保護者様の存在が、この取り組みをいつも支えてくていました。
4月の保護者会では、園庭を改装する予定についてお伝えし、多くの保護者の方が関心を持ち、前向きに受け止めてくださいました。実際に、園庭づくりのワークショップに参加してくださった保護者の方もいらっしゃいます。
また、虫宿づくりの後、子どもたちが毎日のように虫宿の様子を気にかける中で、中に入れていた落ち葉や枝がすべてなくなってしまう出来事もありました。その際、状況を知った保護者の方が気にかけてくださり、虫宿に入れるためのおがくずを提供してくださいました。こうして虫宿は、再び整えられていきました。
子どもたちの興味や行動を「困ったこと」ではなく、「大切にしたい育ち」として受け止め、園と同じ視点で関わってくださる保護者様の存在が、この取り組みをいつも支えてくていました。
保育者の学びとまなざしの変化
今回の取り組みは、保育者にとっても多くの学びがありました。
子どもの行動を先回りして説明したりせず、ぐっと堪えてまずは環境と整えて見守ることで、子どもは自分で関わりを深めていく。
そのことを、日々の姿から実感するようになりました。
保育者の役割は、活動を進めることではなく、子どもが立ち止まる瞬間を見逃さないこと。
そして、その関心が続くように、環境を設定し、寄り添うことだと思いました。
活動の様子や子どもの姿は、ドキュメンテーションとして記録し、月1回の園内研修で共有しています。
保育者一人ひとりの気づきを持ち寄ることで、園としての学びが深まっていきました。
子どもの行動を先回りして説明したりせず、ぐっと堪えてまずは環境と整えて見守ることで、子どもは自分で関わりを深めていく。
そのことを、日々の姿から実感するようになりました。
保育者の役割は、活動を進めることではなく、子どもが立ち止まる瞬間を見逃さないこと。
そして、その関心が続くように、環境を設定し、寄り添うことだと思いました。
活動の様子や子どもの姿は、ドキュメンテーションとして記録し、月1回の園内研修で共有しています。
保育者一人ひとりの気づきを持ち寄ることで、園としての学びが深まっていきました。
園全体へと広がっていく探究の文化
取り組みの過程や子どもたちの姿は、園内掲示を通して引き続き保護者とも共有しています。
完成した姿だけでなく、考えてきた過程や日々の変化を伝えることで、家庭と園が同じ視点で子どもの成長を見守る関係が育まれています。
園庭づくりは、一度きりのプロジェクトではありません。
子どもたちの問いが生まれれば、また環境を見直し、関わりを続けていきます。
よりよい循環が、園全体に深く根づき始めているように感じます。
完成した姿だけでなく、考えてきた過程や日々の変化を伝えることで、家庭と園が同じ視点で子どもの成長を見守る関係が育まれています。
園庭づくりは、一度きりのプロジェクトではありません。
子どもたちの問いが生まれれば、また環境を見直し、関わりを続けていきます。
よりよい循環が、園全体に深く根づき始めているように感じます。
おわりに
とうきょうすくわくプログラムを通して完成した園庭は、ゴールではありませんでした。
むしろ、そこから始まった日常の中で、子どもたちの学びは確かに続いています。
毎日見に行く。変化に気づく。また関わる。
その積み重ねこそが、子どもたち一人ひとりの学びとなり、私たちが保育理念に掲げている未来に向かう「生きる力」を共に育むことにつながっていくのだと思います。
また、今回の園庭づくりは、この代の子どもたちだけで完結するものではありません。
ここで生まれた関わりや思いは、園庭という環境に引き継がれ、次に出会う子どもたちの学びの土台にもなっていきます。
誰かが大切にしてきた場所を、次の誰かが受け取り、また関わりを重ねていく。
その循環こそが、園庭を生きた学びの場にしていくのだと考えています。
クレアナーサリー足立さくら園では、子どもたちの学びが続いていく場所をこれからもとともに育てていきます。
むしろ、そこから始まった日常の中で、子どもたちの学びは確かに続いています。
毎日見に行く。変化に気づく。また関わる。
その積み重ねこそが、子どもたち一人ひとりの学びとなり、私たちが保育理念に掲げている未来に向かう「生きる力」を共に育むことにつながっていくのだと思います。
また、今回の園庭づくりは、この代の子どもたちだけで完結するものではありません。
ここで生まれた関わりや思いは、園庭という環境に引き継がれ、次に出会う子どもたちの学びの土台にもなっていきます。
誰かが大切にしてきた場所を、次の誰かが受け取り、また関わりを重ねていく。
その循環こそが、園庭を生きた学びの場にしていくのだと考えています。
クレアナーサリー足立さくら園では、子どもたちの学びが続いていく場所をこれからもとともに育てていきます。

